ー放送ー⚡電脳ラジオ(仮)⚡
ー稲葉の部屋(仮)ー
稲葉「毎回お馴染み。古川稲葉と…」
禅「烏哭禅の…」
稲葉・禅「「電脳ラジオ!」」
稲葉「ゲストはお馴染みに、紅くん、ともきくん、優日、海ちゃんでお送りするわ」
ともき「久々だな。」
優日「いろいろやってたからね。」
紅「また、よろしくな。」
海「今日もガンガンツッコミやりながらボケるで~」
稲葉「あ、今日からは新企画やるわよ。」
ともき「またか…どうせまた変な企画だろ。」
稲葉「あら、変なとは失礼ね。まぁ、いいわ。禅君お願い」
禅「はい…新企画…は…【電脳ラジオで納涼百物語】…です」
海「……」
紅「百物語って、あれか怖い話して蝋燭の火をふきけして百回繰り返したら願いが叶うっていう」
優日「それ御百度参りが混じってるね。」
ともき「また、急だな。たしかに五月も半ばだが…まだ夏っとのには早くないか?」
禅「それは…ですね」
稲葉「去年の夏、百物語ネタで書くっていいながら挫折した病気鼠が今度こそってことらしいわ。」
ともき「うわぁ…年越え企画かよ。」
禅「まぁ…一度に…百話では…なく…一日二話づつ…語っていけば…五十日…です。」
ともき「終わる頃にはちょうど夏か。」
紅「ま、いいんじゃないか。俺はあんまり怪談とか知らないけどな。」
優日「私も急には話せないかも。」
稲葉「今日は私と禅君が話すから大丈夫よ。」
禅「では…灯り…消しますね…」
海「ひっ!」
稲葉「コホン…百物語…古来より伝わる怪異、異変を呼び込む、数ある日本の呪術儀式の最高峰の1つ。
蝋燭に火を灯し、一般的に怪談や不思議な話を語り、その話が終了すると蝋燭の火を吹いて消す…それで集まった人間にて百話になるまで繰り返す。
すると…百話目に話した怪異が実際に起きるとも言われているわ。……今回は一体何が起こるのかしらね……フッー…」
ともき「なかなか雰囲気でるな」
紅「これで一話か。」
禅「はい…では、二話いきます…とある…先輩が…自分の家のすぐ近所…に住んでいる従兄弟の家へ行った時のことです。」
その日、従兄弟はいつになく沈んだ顔をしていたそうです。
上がって飯でも食べて行けという話になり。
お酒を飲み始めた頃…
従兄弟がぽつりと話し始めました。
『一昨日、すげぇのが来たんだよ』
その夜は真夏にもかかわらず。
わりあい涼しかったので、今日はゆっくり眠れるだろうと思っていたところ、なかなか寝付けなかったんだそうです。
そのうち、遠くで赤ん坊の泣き声が聞こえたそうです。
もちろん近所に赤ん坊のいる家などありません。
次第に赤ん坊の声は近づいてきます。
やばいと感じたものの、逃げることはできませんでした。
やがて、泣き声に混じって、ザッ、ザッ、っと畳の上を這うような音まで聞こえはじめました。
赤ん坊の声を右耳の側で聞いたその時、仰向けに寝ていた従兄弟の胸の上にずしりとした重みが乗りかかりました。
怖くて目を開けることもできずにじっとしていると、すぐにその赤ん坊は胸から降り、通り過ぎて行きました。
その間もずっと泣き声は続いていたそうです。
先輩は、一昨日通過したものが昨日は戻って来ていないのだからいいじゃないかと従兄弟をなだめて、その夜は終わりました。
――その夜は。
先輩はまさか、従兄弟が聞いたそれを数日後に自分も聞くという羽目に陥るとは思っていませんでしたから。
従兄弟の部屋と先輩の部屋は一直線上にあり、何日かがかりで這って来たようです。
その赤ん坊は先輩の家も通過して、どこかへ去ったらしいです。
禅「勿論…どこへ行ったのかは…もちろん誰も知りません。…フッー」
ともき「なかなか…くるな。」
優日「あれ?海ちゃんがいないよ。」
紅「海の子猫ちゃんなら稲葉の嬢ちゃんの話のあと出てったぞ。」
稲葉「毎回お馴染み。古川稲葉と…」
禅「烏哭禅の…」
稲葉・禅「「電脳ラジオ!」」
稲葉「ゲストはお馴染みに、紅くん、ともきくん、優日、海ちゃんでお送りするわ」
ともき「久々だな。」
優日「いろいろやってたからね。」
紅「また、よろしくな。」
海「今日もガンガンツッコミやりながらボケるで~」
稲葉「あ、今日からは新企画やるわよ。」
ともき「またか…どうせまた変な企画だろ。」
稲葉「あら、変なとは失礼ね。まぁ、いいわ。禅君お願い」
禅「はい…新企画…は…【電脳ラジオで納涼百物語】…です」
海「……」
紅「百物語って、あれか怖い話して蝋燭の火をふきけして百回繰り返したら願いが叶うっていう」
優日「それ御百度参りが混じってるね。」
ともき「また、急だな。たしかに五月も半ばだが…まだ夏っとのには早くないか?」
禅「それは…ですね」
稲葉「去年の夏、百物語ネタで書くっていいながら挫折した病気鼠が今度こそってことらしいわ。」
ともき「うわぁ…年越え企画かよ。」
禅「まぁ…一度に…百話では…なく…一日二話づつ…語っていけば…五十日…です。」
ともき「終わる頃にはちょうど夏か。」
紅「ま、いいんじゃないか。俺はあんまり怪談とか知らないけどな。」
優日「私も急には話せないかも。」
稲葉「今日は私と禅君が話すから大丈夫よ。」
禅「では…灯り…消しますね…」
海「ひっ!」
稲葉「コホン…百物語…古来より伝わる怪異、異変を呼び込む、数ある日本の呪術儀式の最高峰の1つ。
蝋燭に火を灯し、一般的に怪談や不思議な話を語り、その話が終了すると蝋燭の火を吹いて消す…それで集まった人間にて百話になるまで繰り返す。
すると…百話目に話した怪異が実際に起きるとも言われているわ。……今回は一体何が起こるのかしらね……フッー…」
ともき「なかなか雰囲気でるな」
紅「これで一話か。」
禅「はい…では、二話いきます…とある…先輩が…自分の家のすぐ近所…に住んでいる従兄弟の家へ行った時のことです。」
その日、従兄弟はいつになく沈んだ顔をしていたそうです。
上がって飯でも食べて行けという話になり。
お酒を飲み始めた頃…
従兄弟がぽつりと話し始めました。
『一昨日、すげぇのが来たんだよ』
その夜は真夏にもかかわらず。
わりあい涼しかったので、今日はゆっくり眠れるだろうと思っていたところ、なかなか寝付けなかったんだそうです。
そのうち、遠くで赤ん坊の泣き声が聞こえたそうです。
もちろん近所に赤ん坊のいる家などありません。
次第に赤ん坊の声は近づいてきます。
やばいと感じたものの、逃げることはできませんでした。
やがて、泣き声に混じって、ザッ、ザッ、っと畳の上を這うような音まで聞こえはじめました。
赤ん坊の声を右耳の側で聞いたその時、仰向けに寝ていた従兄弟の胸の上にずしりとした重みが乗りかかりました。
怖くて目を開けることもできずにじっとしていると、すぐにその赤ん坊は胸から降り、通り過ぎて行きました。
その間もずっと泣き声は続いていたそうです。
先輩は、一昨日通過したものが昨日は戻って来ていないのだからいいじゃないかと従兄弟をなだめて、その夜は終わりました。
――その夜は。
先輩はまさか、従兄弟が聞いたそれを数日後に自分も聞くという羽目に陥るとは思っていませんでしたから。
従兄弟の部屋と先輩の部屋は一直線上にあり、何日かがかりで這って来たようです。
その赤ん坊は先輩の家も通過して、どこかへ去ったらしいです。
禅「勿論…どこへ行ったのかは…もちろん誰も知りません。…フッー」
ともき「なかなか…くるな。」
優日「あれ?海ちゃんがいないよ。」
紅「海の子猫ちゃんなら稲葉の嬢ちゃんの話のあと出てったぞ。」