ー放送ー⚡電脳ラジオ(弐)⚡3

ー稲葉の部屋(隣)(7/8/夕)ー

稲葉「新たな幕開けと共に爆笑と苦笑い、危ない病みつきが生まれる古川稲葉と…」

禅「烏哭禅…と…」

ゆうな「ゆうなとっ!」

ゆえ「ゆえと……」

優希「優希と」

貞子たん『貞子たんの……』

稲葉「電」

禅「脳」

ゆうな&ゆえ「「ラジオ(らじお……)!」」

貞子たん『にっ~!』

優希「始まります」

稲葉「はい、電脳ラジオ(弐)の時間よ。今日
のゲストは悠とミハイル殿下よ」

悠「ふふっ、知らないのかい承太郎。これはお茶のお代わりをくださいという合図だよ。おれだ」

ミハイル「自分に厳しく他人に甘く、天使のような人間の僕だ」

悠「撲殺してやろうか」

友利「お尻の殴打を要求するです!」

ミハイル「さて、昨日はいいところで終ってしまったから今日も麻薬の話をしよう。」

悠「二人とも準備は?」

ゆうな「今日はちゃんと枕持ってきた」

ゆえ「あいますく……」

ミハイル「この愚民ども……聞く気なしだな」

友利「完全に無視されてるです……だが、それがいい!です!」

悠「マジカルフェイスブレイク」

ゴキッ!
友利「ぎ'っ!」

ゆうな「首が90度曲がってるね。」

ゆえ「でもきっとふっかつする……」

ミハイル「麻薬ビジネスは犯罪組織が安く作った麻薬を高く売りさばき巨万の富を得ている……ように一般には思われているが、その実際はなかなか楽ではない。警察などの当局からのマークももちろんあるが、もっと大変なのはライバル業者。多数存在する犯罪組織は、同じ非合法組織だけあって国家権力よりもずっとエグイやり口でアグレッシブに攻めてくる。」

悠「お前はエグイうえに陰険で汚い事しかしてなさそうだけどな」

ミハイル「僕は真っ当だ。金金金」

ゆうな「金の亡者感がにじみ出てる」

ゆえ「ちかていこくとかきずいてそう……」

ミハイル「犯罪組織は密造ノウハウや密輸先など、それぞれ独自のスタイルを持っていて営業形態も様々。しかし「金持ちな乱用者が多い地区」というものがあったりすると、そうした美味しいエリアでは激しいなわばり争いが繰り広げられる。この辺りはギャング映画さながらだったりすることも少なくない。」

友利「そうやって血を血で洗いながら争われる麻薬利権ですが、その規模は一体どの程度なんです?」

ミハイル「専門の報告書「WorldDrugRpeort」の最新版によると、麻薬取引の世界市場は生産段階の価格ベースで約100億ドル、仲介段階の価格ベースで約1000億ドルだそうだ。」

悠「日本円にして……約10兆円か。」

ゆうな「チロルチョコに換算したら?」

悠「いっぱいだよ」

ゆえ「うまいぼうなら……?」

悠「いっぱいだよ」

ミハイル「それだけ聞いたら「こりゃもうかりそうだ」とおもうが、それは早計。なぜなら世界には無数の麻薬密売組織が存在するのだから。実際のところ、真っ当な商売と比べリスクに対してのリターンはかなり低かったりする。例えばアメリカでは凄腕の売人ですら日本円の年収で1000万程度。これが末端ともなると何と年収150万円以下で、しかもその収入の大半を自分で使う麻薬に費やしてしまう。」

ゆうな「ループ?」

悠「無限ループって怖くね?」

ゆえ「ごーるどえくすぺりえんすれくえむ……」

ミハイル「もちろん大型組織の幹部クラスになれば何億という金を手に入れられるだろう。けど、その椅子を狙う敵対組織、そして身内の裏切りにまで常に怯えてトータルで考えると割のいいビジネスとはいえそうにない。すなわち麻薬王ごときは本当の金持ちには到底なりえない。また麻薬を資金源にする犯罪組織が世界を動かす力なんぞ持ちえようはずもなく、できることといえばせいぜい隣の組織とのケンカに明け暮れることぐらいだろうな。」

悠「おい、静かにしろよ起きちゃうだろ」

ゆうな「ぐぅぐぅ…」

ゆえ「すやすや……」

ミハイル「ほんのついさっきまで起きてただろうが!」

稲葉「それじゃあ今日の放送はここまでよ。メインパーソナリティは古川稲葉と」

禅「烏哭…禅で…お送り…しました。」
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