ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】10

ーラスタ・ラヴ(1/9/昼)ー

「…つまり、その人に任せておけば大丈夫だと?」

崇「断定はできん。だが、アイツは俺の知るバカの中では一番のバカだ。それなりの結果は残すだろう。」

「わかりました。ですが、こちらからは何も提供は…」

崇「全ての事は手配済みだ。あとは本人をその気にさせるだけだ。」

「噂に違わぬ仕事の早さですね。お見それしました」

崇「見え透いた持ち上げはいらん。こっちの利益のためだ。それに…腹の底からお前らを信用している訳でもないしな」

「はは、これは手厳しい…。」

崇「……」

「ですが、今回の一件は我々新宿組と池袋組の連携を図り、協定を結ぶのが目的。そちらも信頼して…」

崇「伝令役のわりに喋る奴だな。お前が俺に意見する……それも伝達内容に含まれているのか?」

「い、いえ…そういうつもりでは…し、失礼しまっ…」

紅「……」

宮塚「……」

「こ、虎狗琥さん?」

崇「いい加減…顔の見えないやり取りには飽きてきたな…。奴はどうしてる?」

「ワ…ワンさんは今別件で…」

崇「そうか。残念だ。紅、宮塚、新宿まで送ってやれ」

紅「ういっす」

宮塚「はっ」

「あ、こ、これはどうも…」

崇「……さて、拳二」

拳二「けっ…なんで俺がこんな事しなきゃならねぇんだ。」

崇「お前は悠と同じで俺に借りがあるだろ。」

拳二「くそっ。崇の奢りの酒と解ってたら呑むわけなかったのによぉ!」

崇「知るか。悠と一緒に飲んだのは事実だろ。それとも知らないと言い切るか?」

拳二「ぐうぅ…たかが酒だがされど酒だ。借りは返す。それでいいんだろうが!」

崇「十分だ。本郷。」

本郷「ふっ…」

崇「拳二を送れ。ついでにすぐに始められるようにしておけ」

本郷「ふっ…」

崇「拳二、お前の見方ではどのくらいかかる?」

拳二「書類とかさえ記入が済めばすぐだ。まぁ、今日中にはできんじゃねぇか」

崇「なら、終わった時点で連絡を寄越せ。それまで本郷は貸しといてやる」

本郷「ふっ」

拳二「わかった。わかった。んじゃあとでな」

崇「あとは……悠だけだな」

澪「なにが始まるんですか?」

崇「大したことじゃない。池袋のトラブルシューターを新宿に送り込むだけだ。」

美喜「は?」

崇「いや、送り込むじゃないな、闘路全体の為に親善大使をやってもらうだな。」

美喜「良くわからないけど……また、なんかトラブルに巻き込ませるわけね」

崇「人聞きの悪い言い方はよせ。俺はちゃんと前払いはしてある。やつはソレを飲んだ。断るなら全額払わせるそれだけだ」

澪「総額いくらでしたっけ?」

美喜「拳二さんも一緒にのんでたから90万くらいね。大吟醸から泡盛まで空にしたから」

澪「悠は断れないなぁ…」
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