ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】10

ー三日月(1/8/夜中)ー

悠「ふぅ…終わりましたね」

凛「悠くん、ご苦労様。これを受け取って貰えるかしら」

悠「はい?って…この金なんすか。」

凛「バイト代よ。何だかんだで悠くん、夜は来てくれてるでしょ」

悠「いやいや、受け取れませんて。バイトって訳じゃ無いんですから」

凛「それじゃあバイトってことでダメかしら?」

悠「ダメかしらって…俺毎回はこれないし来る時間もバラバラですし。っか、カエルに料理教えてるだけですから」

凛「あら、そういっても色々してもらってるし……。ね?これは私からの感謝の気持ちなの」

悠「っ…」

恵瑠「受けとってもいいじゃないですか、別に悪いことしたお金じゃないんだから」

悠「……わかりました。いただきます」

凛「えぇ。そうして頂戴」

恵瑠「センパイってけっこう遠慮する人なんですね」

悠「金をもらって仕事するのになれてないだけだ」

恵瑠「あはは、なんですかそれ。あっ…」

クラッ…ガシャン!

凛「あらあら、大丈夫?」

恵瑠「ご、ごめんなさい。お皿落としちゃって」

悠「あー、拾うな。拾うな。俺がやる指でも切ったらどうする」

恵瑠「あ……ありがとうございます。」

悠「カエル、目が疲れてるのか?」

恵瑠「え…」

悠「俺は医者じゃないけど、知り合いに医者がいるからちょっとだけわかるんだけど、若干白目が黄色い。目眩やかすみ目が酷くないか?」

凛「恵瑠ちゃんそうなの?どうしていわなかったの?」

恵瑠「病院キライ……。」

悠「はぁ…ちょっとそこに座っとけ。キリンさん、ちょっと料理していいっすか?材料費は払いますから」

凛「構わないわ。材料費もいらないわよ」




~料理中~



悠「よし、食え。」

恵瑠「あ、あの…このドロッとしたのは?」

悠「マグロの目玉のハチミツ煮ワカメ添えだ」

恵瑠「……私、好き嫌いは無いですけど…これはちょっと…」

悠「黙れ。出されたものは食え。」

恵瑠「あぅ…うぅ…パクッ…んむ…意外と」

悠「当然だろ。通常ならしょっぱく感じる塩水も疲れた時には程よく感じる…体が本当に欲してるのはうまいもんだ」

凛「マグロの目玉…DHAね」

悠「DHAは脳の三大栄養のひとつ。」

恵瑠「パクッパクッ…脳の三大栄養?」

悠「レチシン、DHA、糖質だ。レチシンは記憶力、醤油、大豆を、DHAは学習能力、青魚とか、糖質は脳を動かすガソリンだな。」

恵瑠「ケフッ…ごちそうさまです。」

悠「それに加え分子が小さく体に吸収されやすい糖質を含むハチミツを使って効果を極限まで高めたから、これで脳の疲労は回復する。目の機能低下は肝臓の疲れだ。それに有効な食材は中国の五行でいう「水」の食材、味でいうと酸味だ。添えたワカメはたっぷりの黒酢であえてある。これで万事解決だ。」

凛「栄養学を勉強したことあるの?」

悠「少しだけ中国漢方医学の基礎を柳のじじ…知り合いから習ったことがあります。」

恵瑠「栄養学…勉強になります。センパイ!」

悠「ま、勉強するのも良いけど少しは身体を大事にしとけよ。ぶっ壊れたら意味ないし。なにより、笑顔が見れなくなったらファンが泣くぞ」

恵瑠「あぅ~反省します」
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