ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】10

ー小鳥遊邸:道場(12/22/夕方)ー

悠「……ゲホッゲホッオェッ…」

雲水「だから、アレほど連投するなといったんだ。」

悠「ハァハァ……将棋だけでこの疲労感…」

雲水「それで、鬼状態を掴めたか?どんな感じだ?」

悠「ハァハァ…このまま呼吸が徐々に小さくなって…この流れ(ライン)の一通で…俺は死ぬ。ハァハァ…この感覚が鬼状態(オニモード)ってのなら会得したんじゃね?」

雲水「正解だ。死の淵を覚悟を決めて歩くとき、人間は鬼ににもなる。」

悠「…ハァハァ…」

雲水「しかしそれを死神(アクマ)は見逃さない…きっちり寿命(だいきん)を取っていく」

悠「ハァハァ…そんなモンをよくもまぁ教えたな。」

雲水「使い方を間違える奴には教えん。お前は少なからず間違えはしないだろ。」

悠「あー?」

雲水「小僧。命の浪費(使い方)を間違えるなよ。ほんとうに大切なのは後生大事に抱えとくことじゃなく、浪費することだ。」

悠「ハァハァ…いみがわからん…」

雲水「いつかわかればいい。ただな…ひとつ酷な事をいうぞ」

悠「ハァハァ…これいじょう?」

雲水「もし、鬼状態を想いを含めた感情で使うな。というより、そういう感情はギリギリのところで…勝負事の精度を下げる。」

悠「ハァハァ…ひろうこんぱいじょうたい…ハァハァ、なんだ…そういうおもわせぶりないいかたはよしてくれハァハァ…」

雲水「…愛だの人を救うためだの誰かを守るため……そういう感情だ。」

悠「はは…けっこうきついなあんた」

雲水「ただ、そういう感情を否定するつもりはない。ただ、鬼状態は誰かに使うものでは無い。それだけは心と頭に刻み込んでおけ」
悠「わかっ…た…たぶん…おぼえ…とく」

雲水「もう今日は休め」

悠「なにいってるおれはまだまだよゆ…ぅ…だょ………………zzz」

雲水「つぶれたか。さて……今日は道玄とでも飲むかな。」

「……」






悠「うぅん……」

影子「起きたか」

悠「カゲコ…あれ、ここは?」

影子「寝ぼけてないでシャンとしなさいよ。こんなところで寝て風邪ひくぞ」

悠「……道場…………あ!雲水のおっさんは!?」

影子「帰ってった。」

悠「ちっ、鬼状態(オニモード)はこんなに疲労するのか」

影子「それ、あんまり使わない方がいいんだろ?」

悠「お前、潜んでたな」

影子「…あ、あたいはアンタを見張って、報告するのが仕事なんだからな!」

悠「開き直りかよ…どのくらい寝てた?」

影子「かれこれ三時間。おかげて身体冷えたわよ。」
悠「三時間か…なかなか寝てたな。ん?もしかしてお前、ずっと居たのか?」

影子「……」

スッ…

悠「あ、おい!なんで消える!!おーい、ありがとな~」
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