ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】10

ー三日月食堂(12/19/夜)ー


悠「こんばんわ」

凛「あ、いらっしゃい。」
ガヤガヤ…ガヤガヤ…

悠「流行ってますね」

凛「えぇ。カウンターでいいかしら。」

悠「あ、適当に座りますから。」

「女将さん、ビール追加~」

「こっちにもね」

凛「はーい、ごめんなさいね。いまちょっと忙しくて」

悠「いや、いいっすよ。っか、明香は?」

凛「収録があるらしくて今日はまだなの。」

悠「あー…」

凛「それでどう?」

悠「いやぁ、やっぱり断…」
「女将さん、マグロのつくりお願い」

「イカさしも」

凛「あ、少々お待ちください。小鳥遊君、なにか軽く食べる?」

悠「いや……それよら差し出がましくなかったら俺手伝いましょうか?」

凛「えぇ!?ダメよ、そんなのお客様に」

悠「いいっすよ。どうせ、金ないですから何も注文できないし。それにただ座ってるのもアレですから。けど迷惑なら…」

凛「……それじゃあお願いできるかしら。ごめんなさいね。」

悠「いやいや、キリンさんみたいな美人のお手伝いなら喜んでしますよ」

凛「もう、年上をからかわないの。じゃあ、ちょっとこっちに来て」

悠「うっす。」

凛「小鳥遊君、魚は捌ける?」

悠「人並みには、できます」

凛「上手ってことね。じゃあ、今マグロのつくりとイカさしが注文入ってるからお願いね。ツマ(細切り大根)とかはそこに水切りしてあるから」

悠「うっす。」

凛「お願いね。はい、ビールのお客様…」

悠「(……いい包丁だな。よし、やるか……マグロは筋を潰さないよ厚すぎず、けど薄すぎない用に刃を通して……)」



~調理中~



凛「はい、日本酒お待たせしました」

「うぉ、このマグロのつくり美味いな。女将さん、今日のいいマグロだね。」

凛「え?」

「こっちのイカさしも柔らかいよ。しかも、ちょっと昆布の風味があっていいねぇ」

凛「昆布の風味…?」

「兄ちゃん、こっちイカソーメンできるか?」

悠「できますよ。ちょっと待ってくださいね…。」

凛「……ジッ」

悠「(まずは、イカを四角に切って、それをさらに薄く切る。最後は一枚ずつ斜めに削いで……これに着ける)」

スッスッス…ちゃぷ

凛「小鳥遊くんそのボウルに入ってるのはなに?」

悠「あ、これは昆布のだし汁に塩をほんのちょっとだけいれた水です。さっとつけて、イカ独特の生臭さを消してます。あ、勝手につくったの不味かったですか?」

凛「そんなことないわ。そのまま続けて」

悠「うぃっす。」



~閉店後~



明香「ごめんなさい!収録が長引いちゃって遅れまし……た?」

凛「はい、悠くん。どうぞ」

悠「いや、すいません。注いでもらっちゃって、つまみまで」

凛「いいのよ。悠くんのお蔭で大助かりだったもの。」

悠「はは、照れますね。お?明香、遅かったな」

明香「あ…センパイもしかして、お返事をくれますか!」

悠「まぁな。断ろうかとも思ったけど……暇があるときはいいぞ。あんまり役に立つかはわからないけど」

明香「センパイ~私うれしいですっ!」

悠「オーバーな奴だな。けど、今日はもう疲れたからパスな」

明香「はい!あ、そうだ。ケータイ番号教えてくださいよ」

悠「は?」

明香「ほ…ほら、連絡とりあえる方が便利じゃ無いですか」

悠「あー…」

凛「なら、私もいいかしら。」

悠「は、はぁ…かまわんすけど」
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