ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】9

ー鮨たなか(寿司屋)(12/7~8/夜中)ー

拳二「ふぅ~…しかし、わからねぇな。天才天才って頭の良さがそんなに偉いのか?」

崇「勘違いをするな天才はただ頭がいい事じゃない。発想、創造力、行動力、精度…もっと言えば、技術、筋肉、経験、スピード、戦略、思考力……あらゆる物がちがう」

雲水「言わんとしてる事は解るぜ……ワシら率いる十神将はそれなりに腕っぷしの揃い組だ。それでも抜けてるのは居るワシ。さらにずば抜けと区分できるのは道玄か冬花夜見くらいだろう」

道玄「それでも…天才とは呼ばれない。」

氷室「では、貴殿方から見て天才と呼べるのは?」

道玄「口にするのも気に入らんが…あとにも先にも小鳥遊弥一…奴だけだ。」

拳二「悠のじいさんか…」

崇「口惜しいな…。そういう天才が亡くなっているのが」

拳二「ちっ、わかんねぇ…崇よぉ。いったい何がいいたいんだ?」

崇「拳二。この世は99%の凡才、1%の天才だ。その1%たる理由はなんだかわかるか?」

拳二「知るか。」

崇「起き上がり向き合う力だ。」

拳二「あ?」

氷室「生きていれば人は壁にぶつかります。傷つき、嘆き、諦め、立ち止まる。それが99%の人間」

崇「天才に壁は無い。優雅にそれを越えていく。」

拳二「けっ、くっだらねぇな。」

道玄「確かにくだらない。だが事実だその領域にたどり着けるのはいつの世も天才と呼ばれる物だけ」

雲水「けど、ワシが見る限り悠は天才では無い。腕もいい、覚えもいい、弥一の血も引いている……それでも凡才の一人だ」

崇「くくっやっぱりアンタラはまだ悠を解って居ないな」

雲水「なに?」

崇「奴はな、確かに天才とは違う…。ただ、笑える男だ。どれだけ壁にぶつかろうが、殴られ蹴飛ばされ転がり落ちて血を流そうが立ち上がって笑う。この壁を越えてやるとな……そして何よりそれは自分だけじゃなく、他の奴を振るい立たせ肩を組んでよじ登る。」

氷室「天才は世界を変えらますが孤独です。ですが、仮に悠さんが天才に限り無く近い凡才ならば……1%ではなく99%の力になりますね」

道玄「それでも…所詮はピエロだがな。」

崇「だから面白いんじゃないか。バカをやらかす。だから、アンタも娘を悠と見合いさせたんだろ」

拳二「なにぃ!?見合いだと!」

氷室「おや、そんな面白いこと?」

崇「あぁ、だが…結果はいつもどうりだ。」

氷室「残念ですねぇ」

崇「どうだ。誰か悠がクリスマスまでに女が出来るか、または、女を紹介してやれないか?」

拳二「んなもん、俺が頼みてぇわ。」

道玄「雲水、お前の親類にいい女が居なかったか?」

雲水「七海嬢はダメだ。あとは…おれの娘か孫か…」

崇「アンタラは全員が大家族なのか?」

雲水「いや、そんな事はない。あぁけど猿渡のところは凄いな、たしか祖父母、嫁、長男、長女、次女、三女、四女…八人だったかな?」

拳二「是非俺が紹介してほしいぜ」

氷室「なら、私も」

崇「マヌケ。悠をからうのが目的だろ」

道玄「いつのまに奴をからうのが目的に……いや、構わんか神姫を任せよう。」

雲水「なら、ワシは駒狸嬢を推薦しよう。」

崇「あの娘か…」

氷室「では、私は鈴猫さんをフォローしましょうか」

崇「お前にしては大穴だな」

拳二「俺はどーすっかなぁ、風俗でも誘うか」
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