ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】9

ー鮨たなか(寿司屋)(12/7/夜)ー

氷室「失礼します」

崇「来たか」

拳二「これで集合だな」

道玄「ふむ…」

雲水「ほぅ。」

拳二「忘年会っうより、なにかの幹部会議みてぇだな。」

氷室「初見の方がいますね。」

道玄「こちらから名乗らせて貰おうか…俺は九頭竜道玄。ごく最近崇と知り合った。こっちは俺のツレだ」

雲水「ワシは百目鬼雲水だ。道玄とは悠の小僧の面倒を見てやってる」

氷室「なるほど、そういう集まりでしたか。私は氷室薫です。崇の友人です」

拳二「瓦谷拳二だ。一ノ瀬組本部長代行。」

崇「虎狗琥崇、西口闘路の王だ。」

拳二「自分で言うかぁ?」

崇「今日はおれの方から出す。遠慮なく酒もつまみも握りもやってくれ。」

氷室「遠慮なくいただきます。」

雲水「気っ風のいい若僧だな。よし、おい、日本酒を頼む。瓶で…とりあえず五本か」

道玄「雲水……普通人間はコップを使う。瓶で呑むのはお前ら一族の一部だけだ。」

崇「くく、酔いつぶれる前に本題に入るか……」

氷室「ふむ。本題とは?」

崇「ここにいる全員の共通点……小鳥遊悠についてだ」

道玄「やはりソレか…」

雲水「小僧がどうかしたか?」

崇「道玄から聞いたが…アンタらが悠をしごいているらしいな」

雲水「はっはは、ちょーっと遊んでやってるだけだ」

拳二「おっさんの見た目が一番遊んでるけどなぁ」

氷室「モヒカンに顔に刺青、いやはやお若いですね」

雲水「ワシは生涯現役だ」

道玄「はぁ…お前ももう十分歳だろ」

雲水「なぁに、まだまだ余裕だ。なにしろ面白いのが現れたんだからな」

崇「壊してくれるなよ。アレは俺が最初に目をつけた物なんだ」

拳二「まてまてまて、お前ら悠はオモチャじゃねぇぞ。」

氷室「オモチャでは無くとも、おどけてみせて居る分ピエロかなにかではありますよ?」

道玄「道化……くくく、確かに笑われるのが奴の仕事かもな。」

崇「そうだ。無様に転んで笑うのが悠だからな。道化の鏡だよ奴は。」

拳二「否定はできねぇが言い方があるだろ」

氷室「しかし偉大な事ですよ?どんな状況でも笑うというのは……ただ、私から見れば悠さんは辛いときほど心底楽しそうにしているように思いますが」

崇「そうだな…。やつは限り無くこちら側の人間だからな。」

拳二「こちら側ぁ?」

道玄「天才…と呼ばれる人種だな」

崇「そうだ。」

氷室「私のような凡才には羨ましい言葉ですね。」

拳二「天才だの凡才だの…関係ねぇだろ。そんなもん。」

崇「そんな事はない真の意味で天才は本当に一握りもいない。そんな希少な人種を見す見す腐らせるなは面白くないだろう」

道玄「それが小鳥遊悠…だと?」

崇「くくっ」
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