ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】9

ーラスタ・ラヴー

悠「ちぇき」

道玄「……」

崇「……」

悠「うわぁ…」

道玄「人の顔を見てなんだ…」

崇「礼儀を知らない奴だな」

悠「いや、なにアンタらさも昔から仲よしでしたよみたいな雰囲気なんだよ」

崇「お前のために打ち合わせをしてるところだ」

悠「は?なんの…」

道玄「見合いだ。折角だ、ゆっくりと湯にでも浸かれるように温泉でいいだろ。」

悠「俺の預かり知らないところで盛大なプロジェクトを進めるな!」

道玄「既に場所は押さえてある。本郷の計らいで貸しきりだぞ」

本郷「ふっ…」

悠「だから、どんだけ仲良くなってるんだよ!」

崇「足(車)はうちから用意してやる。」

悠「なんで、お前もそんなプッシュしてるんだよ?!」

道玄「それで兜馬殿に連絡はどうする?」

悠「親父に報告はいらん!余計ややこしくなるだろ!」

道玄「しかし、見合いだぞ」

悠「見合いかもしれんけども…親父はいい。」

道玄「なら、仕方がない。梔のお嬢さんを呼ぶとしよう」

悠「やめてー!あのひとはマジになるから!本気で本気の見合いになっちゃうから!」

道玄「見合いだろ」

崇「見合いだな」

悠「えぇ…」

道玄「なんだ、俺の娘が不服なのか?」

悠「会ってもないからそんな事は言えないけど…」

崇「なら、何も問題ないだろ」

悠「だから、なんで崇は崇でそんな乗り気なんだよ。っか、道玄のおっさんこそ不服はないのか?」

道玄「なにがだ?」

悠「見合いの相手が俺で、自分で言うのもアレだけど人としては底辺に生きるカスだぞ。俺は」

道玄「その辺りの事は俺が決めることじゃない。お前と娘の気が合うようなら本気で縁談を考えればいいし、合わないなら断ればいい。」

悠「えぇ…」

道玄「何事も大事なのは本人どうしの気持ちだろ」

悠「うわぁ、なんか超まともな事いわれたよ」

崇「くくっ」

悠「笑ってんじゃねぇよ。」

崇「いいじゃないか。この際、気に入ったなら結婚でも既成事実でも作れば。お前はこのくらいの事しないと女にモテないんだから」

悠「くそ…反論できない」
澪「……(モテないというか、鈍感なだけだと思うんですけど)」

美喜「……(関わるだけ損よ。黙っときなさい)」

澪「……(けど、もし仮にうまく話が進んだら鈴猫さん泣きませんか?)」

美喜「……(かもね。けど、いつまでもまごまごしてる鈴猫も悪いから仕方ないでしょ。それに上手くいかないと思うわよ)」

澪「……(ですよね。)」

崇「必要なら泊まりで予約を変えてもいいぞ」

悠「いらねぇよ。」

道玄「孫は二人くらいが理想だな。男と女で」

悠「オッサンもなにいってんのかわかってるか!?」

道玄「まぁ、気楽に考えろ。」

崇「くくっ」

悠「胃が痛い…」
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