ｰラスタ･ラヴｰ

悠「痛っっ…俺は先帰るからな。」

道玄「崇の家族は？」

崇「母と父、祖父だ。そっちは？」

悠「シカトの上になに仲良くなってんだあの二人…痛っっ…アホらし帰ろ。」

澪「ちゃんと病院行けよ」

悠「帰って駒狸さんに見てもらうよ…痛っっ(折れてないよなコレ)」

崇「そういえば…アンタ、娘を悠と見合いさせるらしいが本当か？」

道玄「あぁ。」

崇「そうか。悠が見合いか……。」

道玄「問題があるか？」

崇「いやいや、大いに進めてくれ。あの難物をどうにかできるなら是非やってももらいたい。」

道玄「難物か？」

崇「難物だな。」

道玄「なんだ、アレで女には硬派か？」

崇「いや、むしろ女に弱い、ガキに甘いのベタベタ、男になつく。さらに見境がない。」

道玄「どういう意味だ？」

崇「そうだな……分かりやすく言えば、そこにいる美喜」

美喜「あによ。」

崇「好みのタイプらしい」

道玄「ふむ、確かに良い娘さんに見える。」

美喜「ど、どうも…」

道玄「だが、普通じゃないのか？」

崇「話しは最後まで聞け。秋宵月は知ってるか？」

道玄「よく知ってる。そもそめ、真桜の嬢さんに呼ばれて来たんだからな」

崇「悠にとってはアレも対象だ。」

道玄「なんと…」

崇「そして、そこに居る澪。」

澪「は、はい？」

崇「これもまた対象だ。」

道玄「……奴は病気か？」

崇「だとおもう。」

澪「……(どうします？フォローいれますか？)」

美喜「……(放って起きなさい)」

崇「まぁ、それだけ多種多様なように見えて結局からっきしでダメだ。だから、もし、アンタの娘がアレをどうにか出来るというのなら……実に愉快だ。」

道玄「ふむ……。うちの娘も相当の変わり者だ。もしかしたら、気が合うかもしれん。」

崇「そうか。」

道玄「顔の好みは知らんが…こんな感じだ。」

ピッ

崇「ほぅ」
澪「おっ…」
美喜「へぇ…」

道玄「多少跳ね返りな気もあるがな」

崇「まぁ、その話しは後々でいい。それより、聞きたいのは…小鳥遊弥一の話だ。」

道玄「奴の事か…。奴との関わりはなにひとつ良い思い出が無い。」

崇「ほぅ…じゃあ聞くが闘った経験はあるのか？」

道玄「…まぁな。人とやり合った気はしなかった。」

崇「アンタがいうか？」

道玄「ふんっ、自惚れや過大評価は嫌いだ。っが、奴は人という種のカテゴリーには同一にできない生物だったな。」

崇「ほぅ」

道玄「まぁ、それも過大評価だったかも知れないがな。奴も死んだ。人の子だったというわけだ。」

崇「死なない生き物はいない。生きるという事はいずれ死ぬ。だからこそ、儚く強い。死なないような命なら燃やす気にもならんし。賭ける価値も無くなる。そうだろう、九頭竜道玄？」

道玄「…かもしれんな」

崇「まぁ、中には殺しても死なないような輩も居るがな。」

道玄「なるほど、それで小鳥遊悠を買っているのか」

崇「それもある。っが、個人的に奴の道化ぷりを見ているのもなかなか愉快でな。」

道玄「性格が悪いといわれんか…？」

崇「善し悪しなんて、他人の評価を気にするほど小さくない。」

道玄「……伊達に王とは呼ばれてないようだな。」

崇「過大評価は嫌いじゃなかったのか？」

道玄「正当な評価をしているだけだ」