ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】9

ーラスタ・ラヴー

崇「そうだ。九頭竜はどんな男だ?」

悠「道玄のおっさんか?そうだなバリバリ目付きの悪いおっさん」

崇「それは見た目だろ。中身だ。」

悠「ふむ……名前通り、竜だな。」

崇「竜…竜か…くく、そうか竜か。」

悠「……妙なこと考えてないよな?」

崇「妙?妙とはなんだ?」

悠「別に……」

崇「……」

道玄「ここか。」

悠「ぶっ!ど、道玄のおっさん…なんで」

道玄「稲葉嬢がいい飲み場があると教えてくれてな」

悠「あのヤロー」

崇「アンタが九頭竜さんか?」

道玄「……そっちは?」

崇「…悠のお友だちだ。」

悠「ゾクッ(お、お友だちぃ?)」

道玄「……ただの友では無さそうだな。うつけな気配がする」

崇「そういうアンタは人でも殺してそうな眼だな。いや、睨み殺せそうだ。」

悠「おい、二人とも…」

道玄「……」

崇「……」

道玄「……」

ピッ…

崇「……」

グイッ!
ドンンッ!

悠「グベッ!!」

道玄「ほぉ……初見で受けたか。」

崇「こんな技術(わざ)は初めてだ。手頃な盾があって助かった」

澪「おい、生きてるか?」

悠「首締めと…後頭部に…勁撃……ギロチンだぞコレ…グフッ…」

崇「いや、失礼した。お詫びにおごらせてもらえるか?」

道玄「あぁ。こちらこそすまなかった。非礼を詫びよう。」

悠「まず、俺に謝れよ!!」

澪「首曲がってるぞ…湿布薬塗ってやるからジッとしろ…」

崇「美喜、俺にはターキーをトリプルで……こちらには…?」

道玄「なんでもあるのか?」

美喜「あり大抵のものならありますね。カクテルもつくれますよ。」

道玄「なら、ニコラシカはできるか?」

美喜「もちろん。」

道玄「ならそれを頼む」

澪「ニコラシカって?」

悠「独特の飲み方のカクテルだ。まず砂糖をもったレモンを二つに折って口に入れて軽く噛む。甘酸っぱい味が口のなかに広がったらブランデーを一気に流し込んで、口のなかでカクテルにして楽しむんだ。痛っっ…」

崇「それにしても大したご仁だな。」

道玄「そちらこそ、若いなりで度胸もある。なによりどうして解った?上からだと」

崇「微かに……空気の流が変わった気がした。」

道玄「それだけでか?」

崇「あとはイメージだ。上に岩の塊が見えたような気がした。だから、おおよその位置に盾を用意した。」

悠「誰が盾やねんコラ!」

崇「ふぅ…」

悠「シカトだよ」

道玄「……名前を聞いてなかったな。」

崇「虎狗琥、虎狗琥崇だ。」

道玄「崇か…。まだまだ面白いのが居るようだな。」

崇「どうも。だが、アンタの底も見えないな。さっきのも全然本気じゃ無いんだろ?」

道玄「当然。……だが、そるでも、全盛期ほどではない。俺も歳をとった。」

崇「……アンタの歳の取り方は綺麗だと思うぞ」





悠「痛っっ…なんかぐらぐらする…」

澪「お前、これ病院いったほうがいいって…」
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