ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】9

ーラスタ・ラヴー

紅「ところで、氷室の旦那と炎銃の共通項ってなんすか?」

宮塚「おまえ…起きてたのか」

紅「面白そうな話しに目が覚めた。」

崇「奴らの共通項は分かりやすいだろ。どっちも敵を容赦無く血だるまにする。しかも、場合によっては意味の無い張り合いでな」

紅「まぁ、炎銃はえげつないっすからね」

宮塚「それでもえらくタイプが違うと思いますが」

崇「人間で見るからだな。戦闘Styleという点で見たらコンビだったといってもなにもおかしくない」

紅「炎銃のStyleは双銃と蹴りですよ?」

崇「知らないのか?」

紅「はい?」

崇「薫は足を使うのが本来の戦闘Styleだぞ」

紅「えぇ…抜拳じゃないんですか?」

崇「よく知らんが。その抜拳は腰をきって操る、下半身の技術から派生したのが抜拳らしいぞ」

宮塚「ふむ…」

崇「火と氷一見混じることが無い正反対のようだが、氷は電分解後、燃える物質に変化する。奴らの組み合わせは間違いない……という訳だな」

宮塚「戦闘Styleが蹴り…それが共通項ですか?」

崇「いや、連打力だろう。」

宮塚「連打?」

崇「炎銃の超々高速連打はあらゆる方向から打ち続ける打撃から摩擦によって燃え上がるような痛みを、薫の超々高速連打は拳や蹴りが抜けるたびに冷たい風を生みその痛みに気がついた時には身体を凍り付かされたように止まり為す術もなく立ち尽くすしかない。」
紅「氷室薫の通りな氷結界…って奴ですね」

崇「今は氷結界だったな」

宮塚「今は?」

崇「炎とコンビを組んでいたときは氷血塊。その身体が氷りついたとき、次の瞬間には血の塊にされて敵は倒れる。」

紅「…そこまでいいコンビなのになんで別れたんですか?」

崇「そこは俺の関与するところじゃない……私情の縺れかもな。くくく。」

宮塚「……どちらにしろ俺ら凡夫が天才に追い付くのは大変みたいですね」

悠「そうかねぇ」

紅「……」
宮塚「……」
澪「……」
美喜「……」

崇「居たのか?」

悠「いや、ついさっきかな。千夜ちゃんとおしるこ飲んで、またここに戻ったら香ばしい話してるから」

宮塚「……」

悠「どうしようか…めっさ睨まれてる」

紅「じゃあ睨まれてるついでに、悠の意見を聞かせてくれるか?」

悠「うむ、俺も凡夫にすぎないけどな。天才に囲まれてるうちに解るんだ。崇や氷室さんの姿が見えないのは単に自分が遅いだけ。追い付いてみたら案外見えるそうだぜ?天才ね世界ってのが…。摩耶がいってたから確かなはずだ。」

紅「お前の言葉じゃ無いのかよ。」

悠「いやぁ、ほら、俺は道化だし。上流の方々には逆らいませんです」

崇「お前はお前でふざけてるな。いつもの事だが…」

悠「そう誉めるな」
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