ｰ小鳥遊邸ｰ

影子「ただいま。」

駒狸「カゲコさん、お帰りなさい。」

影子「だから、カゲコじゃないっうの…。はぁ。」

要「おかえり。あれ、悠は？」

影子「あぁ、今夜は遅くなるって。秋宵月は？」

駒狸「夕食の準備をしています。」

影子「そう。」

要「よかったら、俺が伝えておこうか？」

影子「お願いする。あたいは…」

デコ「あ！カゲコさん、良かったら夕食前に鍛練どうっすかやよ！汗かくときもちいいっすやよ！」

影子「……」

ﾊﾟｯ…

駒狸「消えちゃいましたね」

デコ「がーん、避けられたっすやよ…。」

要「楓子ちゃんは見つけらないの？」

デコ「無理っすやよ。姿が見える状態でぶった切るならできると思うっすやよ。」

要「そんなバイオレンスな…」

駒狸「つまり、スキル的にはカゲコさんの方が高くて、戦闘能力的にはデコさんの方が高いんですね。」

要「冷静に分析しますね」

駒狸「あ、す、すいません。つい癖で…」

デコ「駒狸さんはおおよその戦闘能力を分析できるっすかやよ」

駒狸「あ、いえ……詳しくは全然です。どちからと言えば治療はサポート側ですから」

デコ「なるほど…なら、駒狸さん。カゲコさんの代わりに一緒に鍛練しましょうっすやよ。」

駒狸「え…あ、あの…私、体力とか全然なくて」

デコ「大丈夫っす。私も昔は体力無かったすやよ。けど、師匠に血ヘドでるほどガンガンしごかれて今や体力しっかりついたっすやよ。」

駒狸「なるほど。」

要「なるほどじゃないよ？！地獄に引き込まれるよ！？」

デコ「キツいのも一歩踏み越えたら天国が見えるっすやよ。」

要「それは色々突破しちゃってるだけだから！」

真桜「廊下で雁首揃えてうるせぇぞなの。暇なら風呂の湯をみて、洗濯物たたんで、マリオとバロンの餌をやりやがれなの」

「「「は、はい。すぐします！」」」




ﾊﾟｯ！

影子「ふぅ……危なっ。秋宵月の機嫌悪いわね。ほとぼり冷めるまで庭で居ようっ……ん？」

花描「お、カゲコちゃん。」

影子「エ･イ･コです。」

花描「そうそう、カゲコちゃん。カゲコちゃんも庭見酒？」

影子「あたいはお酒飲まないんで……庭見？」

花描「ピエロくんの家の庭。なかなか良いだろ。」

影子「庭ね…。あたいはよく解んないや。」

花描「花は嫌いか？」

影子「嫌いとか好きとかじゃなくてよくわからないの。花があれば咲いてるなってしか思えないし。」

花描「ふぅん…。」

影子「柏さんから毒草や野草については学んだけど普通の花については聞いたことないし…」

花描「なかなか大変だな。」

影子「まぁ、別にそれが普通だったからね」

花描「そうか。」

真桜「おーい、ご飯だぞなの」

花描「いこうか。」

影子「そうね」