ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】

ーラスタ・ラヴー

悠「くかー…くかー…。」

澪「さすが、睡眠誘発装置だな。ピクリともしない。」

美喜「てゆーか、ほとんどダメージ無いってどうよ。頭硬いとかのレベルじゃないわよ。」

澪「深く考えるのは止めときましょう。」

美喜「そうね…。あら、いらっしゃい。」

鈴猫「こんにちは。悠いる?」

美喜「寝てるけどね。」

鈴猫「ありゃ…ホントだ。」

澪「なにか飲みますか?」

鈴猫「うーん…じゃあ軽めのお願い。」

澪「はい。」

美喜「ねぇ、もしかして、悠がいるからわざわざ足を運んだの?」

鈴猫「そ、そんなことないよ。たまたまよ。たまたま…」

美喜「ふぅ~ん」

鈴猫「な、なによ。」

澪「どうぞ、キングピーターです。」

キングピーター
8度中口ビルド

チェリーブランデー45ml
レモンジュース10ml
トニックウォーター適量
スライスレモン
マラスキーノチェリー


氷を入れたグラスにチェリーブランデーとレモンジュースを注ぎ、冷えたトニックウォーターで満たして軽くステアする。
好みでスライスレモンとマラスキーノチェリーを飾る。

鈴猫「うん、飲みやすい。」

美喜「甘酸っぱいチェリーブランデーにレモンの酸味を足して、トニックウォーターの爽快感があるからね。」

澪「そうだ…。関係ない話しになるが、鈴猫さんは八極拳が使えたよな。」

鈴猫「え、うん。そうね。どうかした?」

澪「いや、少し興味があってな。」

悠「八極拳の持ち味は崩憾突撃、接近短打だな。」

澪「うわ、起きた!」

悠「人をゾンビかなんかと勘違いしてないか?」

鈴猫「びっくりした…」

悠「ったく、八極拳っていえば猛虎硬爬山・裡門頂肘が基本的な技だ。」

鈴猫「どっちも近打の技ね。」

悠「そうだな。河北省の滄州で生まれた八極拳は、一撃の威力を重んじる豪快な武術。その性格は、八極拳に伝えられる【不躱不閃】って言葉からも明らかだ。八極拳の起源は諸説あるけど、18世紀に孟村鎮に住んでいた呉鐘と言う人物が「癪」と名乗る道師から教授された説が有力で一撃の威力を重んじ、実用性を第一に謳う八極拳、その威力の秘訣としては【沈墜勁】【十字勁】【纏糸勁】といった身体運用法が挙げられる。正しく鍛練を積んだ八極拳士は次の段階として「爆発勁」を身につけるに至る。爆発勁の使い手は体内の気を1つに纏める事で拳脚だけでなく身体のどの部位を使っても強烈な打撃を放てるようになると言う。最後に八極拳士の修行の第一歩は【馬歩站橙】。そして基本功は5つ【跟提(こんてい)】【践提(さいてい)】【潭提(たんてい)】【搓提(さてい)】【盤提(ばんてい)】八極拳ではこれらの歩法による崩しを単独で行うのでは無く、手や体全体を用て上中下段を同時に攻撃するという。正面から全身を使って相手にぶつかっていく堂々とした戦い方が八極拳の持ち味だ。」

鈴猫「悠…すごい。」

悠「語るは易しだよ。自分には出来ないから必死に知識を覚えただけだ。」

澪「跟提(こんてい)とかって?」

悠「詳しくは、「あかれこ」で。」

美喜「はしょったわね。」
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