ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】9

ーラスタ・ラヴー

澪「よかったら、もう一杯おごるぜ?」

金剛「いや、そろそろ。帰るよ。今日は祝日で店の方もバタバタしてるしな。」

美喜「真面目ね。」

金剛「そうでもない。真面目だったら、はじめっからサボって飲んだりしてないさ。」

悠「ちぇき。お、金剛」

金剛「よぅ。またな」

悠「なんだ、帰るのか。」

金剛「ああ、サボりタイムは終わりだ。」

悠「そっか。っか、今度は席とっといてくれよ。」

金剛「無茶いうな。ちゃんと予約入れるか、見計らって来い。」

悠「ちぇ」

金剛「まぁ、どうしてもっていうなら奥の宴会室使わせてやるから」

悠「さっすが金剛。ご贔屓にするぜ。」

金剛「はは、じゃあな。」

悠「うっす。おつかれ」

ともき「金剛さんてデカイよなぁ」

悠「外人よりデカイからな」

ともき「いや…身長じゃなくてさ、器とかそっちのはなし。」

花描「確かにいい男だわ」

要「ほんとにな。」

悠「あー?花描くんに、要ちん居たのか。」

要「少し前からな。金剛さんの気苦労を聞いてた。」

悠「あぁ、柏のボケと付き合ってたらストレスも溜まるわなぁ。」

花描「そのストレスの要因は、もっと他にもあると思うが?」

悠「あぁ、CDか」

ともき「CD?なんだそれ」

悠「コンパクトディスク」

ともき「誰も名前は聞いてない!」

悠「ちょっとしたインディアンジョークだよ。」

ともき「インディアンに引きずり回されてしまえ」

要「それでCDって?」

悠「金剛の苦手なもののひとつがCDなんだ。アイツさ指でかいだろ、CDを外そうして何枚か割ったことあるんだよ。」

ともき「マジか。」

悠「他にもパソコンのキーを押したら、別のも一緒に押したり、携帯でメールうまく打てなかったり……まぁ、細々したのは元々ストレスになるからな。」

ともき「なんか可愛いな。」

悠「金剛ちゃんはいろいろ可愛いぜぇ。病院も苦手だしな。特に注射」

花描「ちゅうしゃあ?あの図体で?」

悠「医療器具の音と薬の匂いがダメらしい。それと注射針」

ともき「なにかトラウマでもあるのか?」

悠「トラウマっか、金剛ってガキの頃からデカかったらしいんだけど。皆、注射って、ここに打つだろ。肘の間。」

要「まぁ、そうだな。ブロック注射とかお尻に打つの以外は」

悠「金剛はむかしから手の甲の血管に打ってたんだよ。」

ともき「痛そうだな……なんでだ?」

悠「腕が太すぎて血管が見えないんだよ。肥ってる人にもあるけど血管が沈んでるタイプなんだろうな。筋肉も厚いし」

花描「ふぅん。あの体格もそういう不便なこともあるんだな。」

悠「それで注射が嫌いすぎて最低限の予防接種以外はほぼ打ったことが無いそうだ。っか、病気もしてないらしいな。かなりの超健康体。注射嫌いでスゴい執念だよな」

ともき「っか、お前も採血嫌いだろ。」

悠「まぁな!」
32/100ページ
スキ