ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】9

ーラスタ・ラヴー

悠「う~……ちぇきっ…」

澪「いらっ…どした?」

悠「さむい…なんか温かいの…くれ…」

美喜「そこまで寒くないでしょ」

悠「ダメだ…さむいのはダメなんだ……」

澪「うわぁ…声が消え入りそうなほど元気ないな」

美喜「静かでちょうどいいわね」

悠「……」

美喜「な、なによ」

悠「……」

澪「ほんとうに寒くてしゃべる元気もないのか?」

悠「…コク」

美喜「あーもー、澪、熱燗つくったげなさい」

澪「そうします」


~日本酒燗中~


美喜「ほら、できたわよ」

悠「ズズッ……はあぁ~。本気で生き返る…」

澪「よかったな。凍死しなくて」

悠「一歩手前だな」

澪「っか、まだ、十月だぞ?」

悠「今年の冬は越せないかもしれない……」

美喜「どれだけ寒さに弱いのよ」

悠「知らんよ。なんでか、昔から俺は寒いのがダメなんだ。」

澪「冬でも半袖で走り回りそうなタイプなのにな」

悠「無理無理。半袖+パーカ+上着レベルだよ」

澪「完全装備だな…」

美喜「じゃあ、雪とか降ったら地獄なのね」

悠「見る分にはいっこうに構わんが、外に出たり触れたりするのはマジで嫌だな。炬燵にもぐって、雪を眺めながらってのは大好きだけど」

澪「インドアだな」

悠「自慢じゃないが、俺はスキーとかスケートもダメだ。」

美喜「それは下手くそなだけじゃないの?」

悠「いや、普通に人並みには出来るぞ。三分なら」

澪「三分?」

悠「三分過ぎたら寒くなって動きたくなくなる。っか、動けなくなる」

澪「ウルトラマンか」

悠「だいたい雪で遊ばなくても、雪見酒でも雪見温泉でも雪見大福でもいいだろ」

澪「最後のは違うだろ」

悠「はぁ…憂鬱だ」

美喜「けど、あんた冬になったら夜に散歩するんでしょ?」

悠「アレは趣味だ。冬の夜の街は空気がとがってて楽しいぞ。」

澪「……それ、寒くないのか?」

悠「むちゃくちゃ寒いが?」

美喜「いってること矛盾してるわよ」

悠「それはそれ。これはこれだ。寒くても散歩はするけど、他のことは一切したくない」

美喜「訳がわからないわね」

悠「俺の楽しみなんだ。ほっといてくれ」

美喜「なによ、その言い方は…」

澪「けど、風邪引くなよ」

悠「へーき、へーき、バカは風邪引かないからな。いっひっひ。」

澪「あーそうかい。」

悠「あ、おかわりもらえるか?ぬる燗でいいから」

美喜「熱くできるわよ?」

悠「猫舌なんだよ」

澪「あ…そうか」

悠「あー?」

澪「いや、猫だから寒いのが苦手なんじゃないかなーって」

悠「そんなに可愛いか?」

澪「三味線にしたくなるよ」

悠「いやいや、それは違うだろ…」
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