ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】9

ーラスタ・ラヴー

悠「ところで梔姉さん、本日は日帰りで?泊まりですか?」

梔「せっかくやし、一泊してこうとおもとるえ」

悠「あ、じゃあ。夕飯なにがいいっすか?食べたいものいってくれたら何でも作りますよ。……ともきが」

ともき「俺がかよ!」

悠「ともき、絵を描くのか?」

澪「?」
美喜「?」
梔「?」

ともき「俺画家よ。じゃねぇよ!!」

美喜「よく受け答えできるわね…」

悠「嫁だからな」

ともき「お黙りなさいよ」

悠「昔、織田マリって子がいてな」

ともき「やかましい。」

梔「そうどす!」

悠「はい?」

梔「今夜のお夕飯はウチがつくりはりますわ」

悠「!?」

梔「悠ちゃん、なにがええ?」

悠「いやいやいや、お客様にそんなことさせられやしねえっすわ!っすわ!」

ともき「おい、日本語おかしくなってるぞ。」

梔「遠慮なんか、ええんよ。」

悠「落ち着け、俺まだだ、今からチェス盤をひっくり返すんだ……(くっ…)」

美喜「多分だけど、アンタ慌てすぎて表の声と心の声が逆よ」

悠「わぁおっ!」

澪「わりかし余裕あるだろ…おまえ。」

悠「えーと……そうだ!アレだ!な?」

ともき「いや、知らんよ。どうでもいいけど、少し落ち着け。深呼吸しろ、深呼吸」

悠「ヒッヒッフー、ヒッヒッフー、ヒッヒッフー…」

ともき「そうそう。頑張ってもう一息……って、それはラマーズ法だ!」

悠「あーしまったぁ!つい、ボケてしまう!」

梔「悠ちゃんらの間ではこーゆー遊びが流行ってますの?」

美喜「いえ、彼の病気です。」

悠「失礼なことをいうな。ただ、一日に十回はボケないと奥歯に物が引っ掛かったようにムズムズするだけだ。」

澪「十分病気だぞそれ…」

悠「まぁ、冗談はポッケにないないして。おれの嫁が是非、梔姉さんに料理を食べてほしいといってるので、今日はともきが夕飯つくりますよ。」

ともき「嫁じゃないし。いってねぇし…」

梔「うーん……ともきちゃん。ホンマにええんどすか?」

ともき「え、あー…」

悠「ボソッ(断るなら、ともきも梔姉さんのディナーをご馳走する)」

ともき「……まぁ、簡単な物しか作れないですけど良かったら作りますよ」

梔「せやったら……お願いしましょか」

悠「おっけーね。さすが嫁だ。夫の窮地を助けてくれる。好感度うなぎ登りだぜ。」

ともき「俺のなかでお前の好感度は絶賛大暴落中だけどな」

悠「すぐに取り戻すから構わん!」

ともき「どっからそんな自信がわき出てくるんだよ」

悠「恐れを知らないアイアンハートなんだよ。」

ともき「あーそうかい」

悠「けど、内心はナイーブな硝子細工のように繊細なでチキンハートなんだから優しくしてください」

ともき「もう粉々に割れちまえよ」
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