ｰラスタ･ラヴｰ

悠「今のみんながそうだ。俺も3000円のうな重は否定しない。年に一度くらいは自分に気合いを入れるためにちゃんとしたとこに3000円のうな重を食べにいってる」

ともき「あ、そうなのか」

拳二「俺はもっと高級店でそれ以上のを喰ってるぞ」

悠「まあ高級店の中には天然物をうたいながら養殖メインの店があるとか」

悠(女)「「松･竹･梅」の梅だけ外国産に差し替えてる店があるとかいろいろな噂も耳にするが……」
悠「そんなことは」
悠(女)「いいんだよ」

「「「え？」」」

悠「従来の「うなぎ」はかけたお金のぶんだけファンタジーが生まれる食べ物だからな」

ともき「……たしかに」

拳二「まぁな」

悠「……」

パタパタパタ

優希「うはぁ…」

悠「その上でいうぞ。従来のうなぎの魅力を「ファンタジー」とするとこっちのうなぎは……「現実」(リアル)なんだ。」

悠(女)「支持される理由は実にシンプル。払った以上のうまいがあるから。」

悠「ちなみにいえばこの700円のうな重に、俺はたぶん1000円ぶんぐらいのうまさを感じてる。」

優希「価格的には1.4倍ってことか」

悠「アリだと思うな。激安うなぎを出す店は他にもあるが……激安と老舗は姿カタチは同じでも住んでる世界は別なんだ。」

悠(女)「産地がどう、歴史がどうと気にする奴はファンタジーを追及すればいい。」

悠「そして、これこそがリアリズムの香りだ」

パタパタパタ…

拳二「う～～」

悠「さて、俺の話しはこれでおしまい。じゃ、いただきます」

悠(女)「まて、あーしの分は？」

悠「ねぇよ。俺のしか買ってないし」

悠(女)「うぉい！」
悠「あ、あと、宇奈ととでは700円の「ひつまぶし」もかなりオススメだ」

拳二「……今晩はうなぎでも食いにいくか」

ともき「いいですね」

悠(女)「ちゅーか、マジでうなぎくれないのか？」

悠「やらない。だが、ツマミに買ってきたソーセージ缶をやる」

悠(女)「お！ノザキのやつじゃん」

優希「缶に入ってるソーセージ？」

悠「本物のソーセージとはまったく別のジャンクな「何か」だがときどきむしょうに喰いたくなる」

悠(女)「開けると満員電車みたいにぎっしり詰まっててお疲れさま…って気分になるんだ」

拳二「缶詰はツマミに最適だしな。」

悠「あぁ、缶詰といえば…」

優希「ごめん、その話し飯くってからでいいかな」

紅菜「お腹空いてきちゃった」

悠「なら、明日だな。」