ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】8

ーラスタ・ラヴー

悠「そろそろ家の庭の金木犀(キンモクセイ)が花咲くなぁ」

ともき「へぇ…いいな。俺、あの匂い好きだぞ」

悠「匂いフェチ?」

悠(女)「ひゅ~マニアック~」

ともき「お前ら張り倒すぞ!」

悠「にっひっひ…」
悠(女)「いっひっひ…」

「「あ、逆だ」」

悠「いっひっひ」

悠(女)「にっひっひ」

ともき「難儀な奴等だな…」

鈴猫「あはは…けど、悠の家ではキンモクセイ咲くんだね。」

ともき「といいますと?」

鈴猫「キンモクセイは空気が汚染されてると花が咲かないっていわれてて、大都市では咲かないことがあるの。だからうちでは斑入り、四重咲きの園芸種扱ってるよ」

悠「まぁ、徹底的に管理してるからな」

悠(女)「うちにはキンモクセイもギンモクセイもあるしな」

ともき「ギンモクセイ?」

悠「花の色が黄色なのがキンモクセイ。白色がギンモクセイだ。ギンモクセイは十七世紀後半あたりの、かなり古い時代に日本に入ってきたといわれてる」

悠(女)「キンモクセイの方は明治に入ってからもたらされたらしいぞ」

ともき「ふぅん。」

悠「ちなみに、花言葉は謙遜だ。」

悠(女)「ギンモクセイは初恋」

鈴猫「花言葉が謙遜な理由は、春の沈丁花(ジンチョウゲ)と並ぶほどに素敵な香りのキンモクセイが、そのうっとりとさせる香りで、人を誘い込むにもかかわらず、花は、意外と地味なことからって言われてるんだよ」

ともき「なるほど。」

悠「あ、そだ。庭にキンモクセイがあって、例年は花が咲いて、香りが強くしてて、最近はほとんど咲かなくなったり、あるいは香らなくなった場合はよく水をかけたらいい。」

悠(女)「キンモクセイは葉の汚れを嫌うからな。汚れさえとってやればまた、いい香りを振りまいてくれるはずだ。」

ともき「お前のそういうところは尊敬できるよ」

悠「嫁に惚れ直されて嬉しいよ」

ともき「今の時期だとなにがオススメですか」

悠(女)「はい、シカトきたよこれ」


鈴猫「えと、サフランとかサンダーソニア、フヨウとかホトトギス、リンドウかな。」

悠(女)「マンジュシャゲもあるぞ」

悠「彼岸花ともいうな。英名ではレッドスパイダーリリーともいう」

悠(女)「別名キツネノカミソリともいったりする。」

ともき「…もぅ、鈴猫さんとこで花屋やればどいだ?」

悠「まぁ、悪くないな」

鈴猫「え、ほんと?」

悠「けど、千夜とこのラーメン屋もありだな」

悠(女)「リッカのフルーツ屋もね」
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