ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】

ーラスタ・ラヴー

美喜「悠も意外と嫌いなこと多いわね。」

悠「……。」

ともき「睨むなよ。別に知られても問題ないだろ。」
悠「美意識の問題だ。」

澪「じゃあ、問題ないわけだ。」

悠「おう、兄ちゃん喧嘩売っとんのかい?」

ともき「急にやさぐれるな。…あ、元からやさぐれてるか。」

悠「ともきもアレかな、喧嘩の叩き売りしてるのかな?」

美喜「二束三文にもならないでしょ。」

悠「そうだな。じゃあ今日は宝石の話でもしようか。」

ズゴッ!

美喜「あいたた…」

澪「いてぇ…」

ともき「二人とも悠の会話テンポの速さになれたほうがいいぞ。」

美喜「慣れろって…脈絡無さすぎでしょ。」

ともき「悠はそういう性格なんだ。ラーメンの話をしてるのにパスタの話をし始めたりする男だ。」

澪「どんな男だよ。」

ともき「けど、悔しいことに悠の話は面白いぞ。脈絡はまるでないけど。」

悠「ともきのそーゆ所好きだぜ☆」

美喜「☆を出すな。☆を」

悠「キラッ☆ってことでうちの稼業の一つである宝石ダイヤモンド。」

美喜「くれるの?」

悠「甘えんな。」

美喜「ケチッ。」

悠「とにかく、ダイヤモンドが宝石の王さまってのは誰でも知ってるだろ。その名前はギリシャ語で「屈服せぬもの、打ち勝ちたがいもの」を意味するんだ。「adamas」を語源にしてる。」

ともき「和名は金剛石だよな。」

悠「それも仏典の中の「何物にも侵されない」という意味の言葉「金剛不壊」に由来する。」

澪「ダイヤモンドってたら硬そうなイメージだしな。」

悠「ああ、ダイヤモンドのモース硬度は10。地球上でもっとも硬い。次いでルビー、トパーズが9だ。けど、ダイヤモンドには劈開性の性質がある。わかるか?」

澪「へきかいせい?」

ともき「いや、美喜さんは?」

美喜「さあ。」

悠「一方方向に割れる性質だ。衝撃に対してはコランダムより弱い。ぶっちゃけハンマーとかで強く叩けば粉々になる。」

ともき「へぇ…じゃあ悠は殴り壊せるのか?」

悠「いや、俺は無理かな。金剛か柏ならできんじゃないかな。」

澪「冗談に聞こえないのが怖いよ」

悠「ちなみにダイヤモンドが高価な理由の一つには100tの母岩の中からダイヤモンドは平均してわずか28カラット。しかも宝石として出回るのは10~20%程度だ。それ以外のはくずダイヤモンド、研磨剤やカッターの刃、ドリルの先端など、工業用途に使われる。」

美喜「それはダイヤモンドが高価なのは当然ね。」

澪「ダイヤモンドって無色のと色つきのがあるよな。」

悠「色つきのは生成過程で不純物が含まれることで色味を帯びることもある。殆どその色はわずかな黄色だ。けど不純物の種類によって褐色、赤、ピンク、緑、黒、灰色なんかがある。」
ともき「やっぱり無色のほうがいいのか?」

悠「基本は無色のが高い。けど、ピンク、ブルー、グリーン、オレンジみたいな鮮やかに色づいたのは特別にファンシーカラーダイヤモンドと呼ばれて、むちゃくちゃ貴重で高額だ。」
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