ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】8

ー小鳥遊邸(庭)ー

悠「あひぃはぁ(アチいなぁ)」

拳二「まったくだ。麦茶もう一杯くれ。」

悠「ひすふもふぉんへろひょ(水でも飲んでろよ)」

拳二「客に向かってそれはねぇだろ」

悠「ひゃあ、ひょろひすへもひひゅっへろ(じゃあ、泥水でも啜ってろ)」

拳二「悪化してんだろ。っーか、キュウリくわえて喋んな。」

悠「パリポリカリボリボリ…ごくっ。」

拳二「一本食いしやがったよ…コイツ。」

悠「だいたい、行きなり訪ねてきていきなり座りこむおっさんは客とはいわん。」

拳二「久しぶりに顔を会わせた先輩にそれか?あぁ?」

悠「わぁ、瓦谷センパイー来てくれて超うれしいですー。なんていうかーかんげきーみたいなー?」

拳二「棒読みな上、その辺の頭空っぽな女みたいなしゃべり方すんじゃねぇ。」

悠「やってて、アムっ…おへのひふんもはるふなっふあわ(俺の気分もわるくなったわ)」

拳二「だから、キュウリくわえて喋んなってんだろ。なんだ、お前はあれかキュウリ口にしてないと死ぬ人種か?」

悠「パリポリカリボリボリ…ごくっ。キュウリが山のようにあるんだよ。梔姉さんの送り物が沢山な。」

拳二「すっ…ふぅー……っーか、俺の見間違いじゃなけりゃあ、あね畑にぶら下がってんのキュウリじゃねぇか?」

悠「あぁ…俺の作ったキュウリだ。」

拳二「おめぇなんで、送り物と同じもんつくってんだ。」

悠「ちげぇよ。被ったんだよ。梔姉さんは今年ゴーヤやるっていってたからキュウリやらないと思ってたらキュウリもやったんだよ。」

拳二「かっかっか。んで、キュウリ三昧か。」

悠「まぁ、俺は前世は河童と謳われているかもしれない男だから、キュウリ大好きだけどな」

拳二「……それ、前世関係ねぇよな。」

悠「こまけぇこたぁいいんだよ。」

拳二「お前の考えはときどきわけわからんな」

悠「解んないことを考えんな頭痛くならぁ」

拳二「だな。」

悠「っか、本当になにしに来たんだ。」

拳二「だから、お前の面見に来ただけだよ。」

悠「あぁ、イケメンだからな。」

拳二「バケモンだろ」

悠「イケメンは確かに言い過ぎだけどな。お・ま・えにバケモン呼ばわりされる筋合いはねぇ!」

拳二「かっかっか」

悠「笑ってんなよ。」

拳二「いやぁ、やっぱりお前と話すのはいいわ。」

悠「そら、どーも」

拳二「お前今夜暇か?」

悠「さぁ、だいたいはひまだけどなんだ。」


拳二「夏の締め括りに呑みにいこーぜ。どうせ、お前のこった女なんかいねぇだろ」

悠「最後まで失礼な野郎だな…まぁ事実だか言い返しはしないけど」

拳二「だろ。じゃ、夜暇なら連絡よこせ」

悠「おー覚えてたらなー」

拳二「覚えとけよ…」

悠「いやぁ…夏の終わりをおっさんと過ごすのは考えもんだからな…」
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