ｰラスタ･ラヴｰ

澪「それで悠は？」

ともき「帰るときには…普通になってたけど……あいつがあんな低温な感じになるとは思わなかった」

美喜「……」

澪「追い込みすぎたんじゃないか？」

ともき「いや、そんなことは無いって。悠は言わなきゃ解らないようで、いっても解らないタイプだし。」

澪「どっちにしろ解らないタイプだろそれ。」

悠「ちぇきっす。」

ともき「お、落ち込み治ったか」

悠「うーん、治ったっーより喉元過ぎれば熱さも忘れるって感じかな」

澪「なんだそりゃ…」

美喜「……」

悠「よう、美喜。」

美喜「あんまり大きい声ださないで…微妙に頭いたいの」

悠「あれだけベロベロに酔ってたらな。っか、昨日のこと覚えてるか？」

美喜「……」

悠「……」

美喜「うっすらとだけ…なんか抱きついたりした気がする」

悠「そりゃもうベタベタに抱きついたりスリスリしたりしてたぞ……花描君に」

澪「(え？)」
ともき「(あれ？)」

美喜「花描…に？」

悠「なんだ、本当にうっすらとしか覚えてないんだな。酔いつぶれたお前を花描君がここに連れてきて、仮眠室に運んだんだよ」

澪「ちょ、悠…」

悠「そうだよなぁ？」

澪「あ、あぁ…」

美喜「うぅ…恥ずかしい……」

悠「いっひっひ。見てて面白かったぜ？ぎゅしてとか、キスしようとしたりして。いやぁ、もう花描君とのちぇきを見せつけられた気分だったよ…痛ってて！髪を引っ張るなよ！？」

美喜「うっさい…あーもー、ちょっと仮眠室で寝てくる！」

悠「痛～何本か抜けたぞ今…」

澪「……なぁ、悠」

悠「あー？」

澪「なんで嘘ついた…お前が…」

悠「はてさて、なんのことやら。」

澪「おまえ…」

悠「俺さぁ…めんどくさいの嫌いなんだよな。」

ともき「いや、けど…」

悠「良いじゃないか美喜はなんも覚えてないんだ。だったら、あの日、あの時、美喜を介抱したのは花描君で。その方が自然だし。」
ともき「そんなの誰かがバラしたら」

悠「この話を知ってるのはここにいる俺らだけだ。そして、俺の記憶だと、あの日俺は澪と帰った」

澪「おぃおぃ…確かに俺は帰ったけど…」

悠「俺と一緒にな」

澪「……」

ともき「いいのかよ……お前それだと本当にピエロだぞ」

悠「いっひっひ。俺はピエロだよ。それにさ、こうやってピエロやってるとなんだか俺もなかなか捨てたもんじゃないって気になってくるんだよ。いいんじゃないかな俺、別にいいんじゃないだろうかっさ。あはは」

ともき「……」
澪「……」

悠「なんでお前らが微妙な顔してるんだよ。」

ともき「だってなぁ…」

澪「少し憐れすぎないか？」

悠「良いんだよ。俺は逃げも隠れもするし嘘もつく。小手先だけでその場をしのぎ。妥協で楽な道にいく。だから、お前らも妙な事を考えるなよ。俺はあの日、澪と帰ったいいな？」

ともき「……バカだよなお前」

悠「不思議とよくいわれる。けど、バカなんじゃない。頭が悪いだけなんだなこれが。いっひっひ。」






ｰ仮眠室ｰ

美喜「髪引っ張るんじゃなかった何本か抜けて手に絡まって……ん？あの日のジャージに着いてた髪と今さっき抜いてきた髪が同じ長さ…？」