ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】7

ー小鳥遊邸(庭)ー

悠「はぁ…」

崇「うっとうしいため息だな。」

悠「はぁ……っか、なんでお前がいるんだ?」

崇「ラスタで顔を見なかったからな。死んだのかと様子を見に来た。」

悠「わぁそれはどうも~」

真桜「茶なの」

崇「ありがとう。」

真桜「礼なんかいらないなの」

悠「おい、疑似兄妹ごっこはやめろ。」

真桜「焼きもちかなの」

崇「ふふ。」

悠「はあぁ…」

真桜「なんだ、ノリが悪いなの。拾い食いでもしたかなの」

悠「俺には愛が足りてない…」

真桜「何を今さらなこといってるなの」

悠「やっぱり、愛がないのか?なぁ、崇。愛ってなんだろうな」

崇「キモチワル」

悠「はぁ…」

真桜「なんだかくたばってるななの。虎狗琥の、後は任せるなの」

崇「茶の礼分は任されてやる」

真桜「なの」

悠「だいたいさぁ…積極的にやさしくないと冷たい人間なのか?」

崇「知るか。」

悠「俺だってそんなバカなとか思いつつ罪悪感を覚えるのは俺がそれをよしとしてるからだろうか……あ、この考え方しんどい…窮屈だ…嫌だ」

崇「……本当におかしくなったか?」

悠「現実逃避したいんだよ」

崇「逃げてるだけか」

悠「……追い詰められたら逃げちゃダメなのかねぇ。四面を囲まれたような気分だよ今…まさか全員から愛がないとか…」

崇「はっ、逃げたきゃ逃げればいいだろ。悪いことしてるかもみたいな顔をするな。まぬけ。正しければいいってもんでもないだろうが。」

悠「……かっこいいなあ」

崇「細かいことを気にしてたら王は務まらない」

悠「はは…。俺は王様じゃ…」

崇「そうだ。お前は道化だ。なら、なにを悩む?」

悠「あー?」

崇「何があったか聞きはしないが。」

悠「……(聞く気がないだけだろ)」

崇「お前が善人丸出しの方が俺はキモチワルイ」

悠「人を悪人みたく言うな」
崇「適当でいればいいだろ。逃げも隠れも嘘もつくのがお前だろ。」

悠「……そか。そりゃそうだな。」

崇「お前はくだらない事に悩みすぎだ。別にどうでもいいだろ他人の意見なんか。」

悠「確かに、人の理想なんて聞くもんじゃないな……そうだよな。俺は道化なんだし……はは。なんかスッキリした。それに何で悩んでたかもわかったし、いい解決策が浮かんだよ。」

崇「ほぉ。それは良かったな。」

悠「…お前、最後まで他人事だな」

崇「他人事だからな。」

悠「お前ねぇ…もうちょいあるだろ」

崇「あぁ、お前と顔を会わせるたびに愛だのなんだの話されたら気分が悪くなるのはごめんだ。」

悠「コノヤロー」

崇「あぁ、間違いだ」

悠「あー?」

崇「秋宵月に任されたかな。うまい茶の礼だ」

悠「そっちかい!」
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