ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】7

ー男爵ー

悠「なぁ、轟さ~ん」

轟「なんだ。珈琲か?」

悠「それも欲しいけど……愛ってなんだろうね」

轟「愛か。愛とは情熱だろ」

悠「なんかまた新しい単語が出てきたよ…」

轟「お前は普段「しょうがない」「こんなこともある」「まぁいいか」で終わらせる癖があるからな」

悠「ごめん、その通りだけど愛と関係あんの?」

轟「しょうがないではなく、もっと相手に近寄って、心から同情、気を遣わなければならんだろうな。お前は」

悠「してると思うんだけどにゃあ…」

轟「それをしとるのはトラブルに巻き込まれた時だけだろ。普段からしろということだ」

悠「ふにゃ…」

千草「ただいま。」

亮「ちわっす。あ、悠」

悠「おーぅ、ちぇき……。なぁ、お前ら愛とはなんだろうね。」

千草「私が亮を好きってこと」

亮「ち、千草…」

轟「はっはっは。さすがは俺の孫だな。悠よりそっちの面は優れとるわ」

千草「ちょっと、おじいちゃん。私はこいつになんか何も負けてないわよ」

亮「悠はなんかあったのか?」

悠「色々とね……なぁ、俺って愛が足りてないか?」

亮「え゛?」

千草「あんた冷たいからね」

悠「えー…冷たいか?」

千草「部分的に冷めてるのよ。」

悠「冷たいといわれてもなぁ。深く同情したからといっとどうにもならないような気がするなぁ…あ、これが冷めてるのか?……なら情熱ってなんだろ」

亮「悠が変になってる…」

千草「はあぁ…アンタはねもっと付き合っていくべきなのよ」

悠「誰と?」

千草「誰とも。一定線から踏み込みも引きもしないからなにも発展しないのよ」

悠「はぁ」

千草「もっとこう…悲しんでたら憐れむとか駆け寄ってきたらほほえむか!望みを叶えてやるとか!」

悠「ガキかなんかじゃないんだから…。」

亮「悠は白紙な部分があるからな…普段は騒いでるのに時々えらく淡白になるし」

悠「そうかぁ?」

千草「もっとあははとかうふふとか声が聞こえる感じでいなさいよ」

悠「そういうのは…やりたい人がやったらいいんじゃないかね」

千草「寂しい奴ねぇ」

悠「そう?」

千草「もっとなんでもしたらいいじゃない。愛だのなんだの考える前に好きな人と付き合うとか」

悠「相手がいないのに何をなんでもするんだよ…」

千草「アンタはねいつもそうやって引きぎみなの。だから、悲しい思いをする人がいるのよ!」

亮「千草、落ち着けよ」

千草「いいのよ」

悠「はぁ…わからないなぁ……」

千草「コイツは言ってもこんな調子なんだから」

亮「……」

轟「ははっ。馬の耳に念仏だな」

悠「念仏のほうがまだ理解できるっての…」
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