ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】7

ー焼き鳥屋:鳥市ー

悠「はぁ…」

拳二「どしたよ。老けたかおして」

悠「それは熨斗つけてお前に叩きつけてやるよ」

拳二「それでなんだ。お前が鬱陶しいのは前髪だけにしろよ。陰鬱なやつと飲みたくねぇぞ、俺ぁ。」

悠「鬱陶しい前髪ってなんだ…いやぁ、なんか夢見が悪くてなぁ」

拳二「ゆめぇ?…おま、他人の夢の話ほど、どーでもよくてつまらねぇ話しはねぇぜ」

悠「分かってるよ…。こっちだって自分の見た夢なんか話したくねぇよ…」

拳二「ながれで聞いてやっけど、どんな夢だ?」

悠「アスファルトの上を流れる赤。染み込むこともなくただ乾いていくだけ…誰の死体だ……?って、俺かよ……(笑)。っな夢。」

拳二「そいつは夢見悪ぃなぁ。」

悠「だろぉ。」

拳二「ちなみに死因は?」

悠「あれは多分頭割られたかなんかかな」

拳二「なにそれグロ」

悠「いや、死体は綺麗なんだよ。血だまりが頭のあたりから広がってたからそうじゃないかと思ってな」

拳二「よくおぼえてんなぁ」

悠「いい夢ほど忘れて、悪い夢ほど覚えてるんだよ」

拳二「難儀なやっちゃだな」

悠「自分でも思うよ」

拳二「どんくらいの感覚で見るんだ?」

悠「三日に一回。」

拳二「病気じゃね?医者行け、医者」

悠「勘弁してくれ、俺は抑うつ性人格障害や妄想性人格障害じゃないんだから」

拳二「あー?」

悠「有病率が◯・五から二・五パーセントで、少数民族、海外移住者が発病しやすい症状だ」

拳二「わけわからねぇ」

悠「お前に話した俺がばかだったよ」

拳二「ば~か、ヴァーカ。」

悠「クソガキか」

拳二「っか、よくわかんねぇが…そんな夢見るってのは死にてぇのか?」

悠「張り倒すぞボケ。」

拳二「っか、夢の話だろ」

悠「夢の話だ」

拳二「もう終わりにしていいか?」

悠「いいぞ。」

拳二「じゃあ……」

悠「……」

拳二「話すことねぇなぁ。お前は?」

悠「最近、夢見が悪くてな」

拳二「それはもういいってんだろ。」

悠「じゃあ、エビフライ定食頼んでエビフライ残したやつの話しでもするか」

拳二「なんで、エビフライ定食頼んだ!?興味ねぇよそんなはなし。」

悠「じゃあ、お前がなんか話題出せよ」

拳二「……風俗嬢を呼んで、乳首に洗濯ばさみ挟んで待ってたやつの話とかどうだ?」

悠「それもう言いきりで終わりの話じゃん」

拳二「まぁな。」

悠「はぁ…なんで、お前と飲んでるんだろうな。」

拳二「友達いねぇんじゃね?」

悠「お前と一緒にしないでください。」

拳二「かっかっか。俺はツレが居ないんじゃなくツレになりたいような奴がいねぇんだよ」

悠「ふぅん…」

拳二「お?お?嬉しいかコノヤロウ」

悠「暑苦しいから肩に腕回すな…」

拳二「かっかっか。照れてらぁ」

悠「アホか。」
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