ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】

ーラスタ・ラヴー

澪「ちょ、悠…その組み合わせはヤバイって…」

悠「いいから飲んでみろって。」

澪「えぇ……あれ…いけるな。」

悠「これがブルショットだ」

ブルショット
15度中口ビルド

ウォッカ45ml
ビーフブイヨン(冷やしたもの)適量
スライスライム

氷を入れたグラスに材料を注ぎ、軽くステアする。

悠「スープとウォッカをミックスしのは欧米ではポピュラーな食前酒なんだ。好みでコショウやウスターソース、タバスコなんかも添えたりするんだぞ。」

澪「へぇ…」

美喜「う~ん。」

悠「どうした、イヤらしく喘いで。」

美喜「誰がいつ喘いだのよ。」

澪「悠の耳にはフィルターでもへばりついてるんじゃないか?」

悠「まぁ、お馴染みなコントは置いといてなんかあったのか?」

美喜「景気が良くないのよね。」

澪「俺が言うのもアレだけど。景気の悪さなんていまに始まった話じゃ無いだろ。」

美喜「それはそうなんだけどね…」

悠「まぁ…確かになはっきりいって世界規模で景気が良くない。うちの宝飾業界も苦戦気味だ。」

美喜「宝飾業界?」

悠「タカコン(小鳥遊コンチェル略)のメイン業の1つでダイヤモンドを扱ってるんだ。」

澪「そう言う話すると悠がなんか別の人って感じがするな。」

悠「いや、俺も別に会社の話なんか興味ないけど親父が定期的にメールしてくるんだよ。」

美喜「ふふ。口では嫌い嫌いって言ってる癖に仲いいわね。」

悠「どーかなー。」

澪「それでどんな話をしたんだ。」

悠「いわゆる販売促進会議ってやつだな。結論は商売で売れるのを待つ時代は終わったってことだ。」

美喜「座り込んでお客さんが来るのを待ってちゃいけないとゆーこと?」

悠「だな。格言でいえば「座して食らわば山も虚し」だ。」

澪「ちがうんじゃないか」

悠「にゃむにぃ?」

澪「腹立つな…」

美喜「それじゃあ、うちの場合はどうしたらいいの?」

悠「そうだな。…歌舞伎町あたりの店の真似をしたらどうだ。」

美喜「カマバーでも始めろと?」

悠「確かに歌舞伎町のメッカだが…じゃなくてだ。新手の商法だ。」

澪「へぇどんな?」

悠「えーとな、歌舞伎町のあたりで何処にでもいそうなOL風の女の子をナンパすると…」

『そうねお食事だけなら…私の知ってる店でおウドン食べましょう』

『今どきウドンでいいなんて質素な娘さんだ。』

悠「っで、食べ終わって勘定書を見てみると」

『じ、十万円?!ウドン二杯で十万円なんて!』

悠「文句を言うと店の奥からお決まりの怖そうなお兄ちゃんが出てきて」

『ウドン粉は国産の一等粉、塩は有名産地の天日塩、出汁をとってる鰹節は人間国宝の名人が一本一本手作りで……高いのはあたりめぇだろ?』

『は、はぃ…』

悠「その時にはもちろん女の子は消えてるわけだ。」

澪「悠の話が上手いのはよくわかったが…詐欺じゃん。」

悠「ボッタクリはバーやスナックだけじゃないってことさ。どうだ、真似てみるか?」

美喜「アンタうちの店を何だと思ってるのよ…」
59/100ページ
スキ