ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】7

ー小鳥遊邸(広間)ー

優日「あ~すごく美味しい。スープと野菜が全部一緒に口中でとろける。野菜も甘~い」

ともき「この押し麦のもちっとしてプツプツするこの食感が癖になりそうだ」

優日「このスープ味つけホントに塩だけ?すっごくコクあるよ?」

鈴猫「えーと…た、たぶん。」

真桜「帽子、見てただけの猫にコクの事を聞くの酷なの」

鈴猫「ちゃんと手伝いました!」

ともき「しかし、うまいな」

鈴猫「ともきくん!」

ともき「いや、スープの話だよ。」

鈴猫「あ、ごめん」

真桜「これだからヒステリックな猫はこわいなの」

鈴猫「うっさい!」

悠「うーす、本日のメイン、あぶらあげ入り野菜餃子だ。それといい吟醸酒もらったから皆で飲もうぜ」

真桜「真桜にも同等の価値がある飲み物を要求するなの」

悠「スイカジュースで勘弁してくれ」

優日「うまっ!もちっとした中にざっくりとした餡の食感!」

悠「なに一番乗りで食ってやがる!」

優日「餃子は熱いうちに食えと家訓が…」

ともき「なんてベタな嘘を…。」

鈴猫「けど、この野菜餃子本当に美味しい。皮もくどくないし、結びの部分も軽い食感」

ともき「(型作るときうまいことやったんだな。外側薄めで内側厚めに…恐るべし悠)」

真桜「油揚げがまたいい塩梅なの。汁気をすってて他の野菜といいコンビネーションなの」

優日「…ところでなんで野菜ばっかり?美味しいけど」

悠「いやぁ、うちの菜園野菜と梔姉さんからの送り物野菜がたまってきてな生物だから足が早いし早急につかっちまおうと思ってな。」

真桜「この一週間はベジタリアンなの。おかげで肌がブリリアントなの」

悠「お前はまだ子供なんだからツヤツヤで当たり前だろ」

鈴猫「(肌がツヤツヤかぁ…)」

悠「まだまだ餃子あるからガンガン食えよ。ガジガシ」

優日「もちろん!」

ともき「っか、お前はなんで玉ねぎを丸かじりしてる」


悠「サラダ玉ねぎを味見してくれといわれてるから、そのままを味わってる。なかなか甘くて美味い。かじるか?」

ともき「……どれ、ガジ。あ、たしかに甘い。」

悠「……」

ともき「なんだ?」

悠「一物全体って言葉知ってる?」

ともき「いや、しらない。」

悠「食べ物はなるべく丸ごと食すのが健康にいいっていう意味なんだが。これって恋にもばっちり当てはまる言葉だと思わないか。」

優日「どういうこと?」

悠「ありのままを食うもよし、食われるもよし。ともきの食べてるときの顔すごく素直でかわいいよ。」

ともき「……いま、少しドキッとした自分が嫌だし。せめて、俺以外の誰かにいえよ。」

悠「食べてるときの顔すごく素直でかわいいよ。」

マリオ「ミャー」

真桜「救いようのないバカヤロウなの」

鈴猫「え、私ら猫以下?」

優日「マリオちゃんの可愛さなら致し方ないかもね」

鈴猫「えぇ~…」
55/100ページ
スキ