ｰラスタ･ラヴｰ

崇「くく、行ったか。」

美喜「アンタ……なかなかいい性格よね。」

崇「俺は聞かれたから答えただけだ。性格の問題じゃあない。むしろ、いい性格なのは……」

ともき「どうも」

梓「ちわっす」

鈴猫「……」

澪「三人とも、いらっしゃい。」

崇「なんだ、悠を追いかけなかったのか。」

ともき「あ、バレてました？」

崇「まぁな。」

ともき「アイツは大丈夫ですよ。そういうヤツですから。」

崇「そうか、一杯どうだ？付き合う相手が出ていってな。グラスが空いてるんだ。」

ともき「……いただきます」

梓「(飲めるのか？)」

ともき「(1、2杯くらいなら…)」

鈴猫「よっく、人に死ぬだのなんだの言えるわね。」

崇「……聞かれたから答えたといってるだろ。俺に同じことを繰り返さるな。」

鈴猫「っ…崇って、いっ……つもそうよね。自分の意見ばっかりで！」

崇「おまえもな、秋宵月が五月蝿がる訳だ。」

鈴猫「はぁ！？」

崇「お前の声はあい変わらずよく響く。まるで割れ響く歌のようにな。」

鈴猫「なにが…」

崇「少し黙れ。俺は今、ともきと飲んでる。同じ席に座らずにキャンキャン吠えるな」

鈴猫「っ～～！！」

美喜「ちょ…アンタらで暴れないでよ…。」

梓「鈴猫さん、落ち着いて。あ、ほら、リッカのところで頭冷やしてきましょう。」

鈴猫「私は頭冷やすことなんてない！」

梓「わかりましたから！向こうで話聞きますから！」

崇「……」

ともき「……」

崇「くく、からかいがいがある女だろ。」

ともき「は、はぁ…」

崇「鈴猫もな、しっかりと筋は通ったいい女なんだが如何せんズレてるんだ。いや、ズレが無さすぎるのかもな」

ともき「よく見てますね」

崇「ふん、あれでも馴染みだからな。」

ともき「氷室さんもですよね？」

崇「薫も同じだ。だが、そういう類いの人間はイヤでも目につく。それは悠も同じだ。」

ともき「それでさっきのやり取りですか？」

崇「あぁ。アイツは言う側だ。たまには言ってやる側の人間が居るだろう。」

ともき「すぐに煙に巻かれますけどね。」

崇「あぁ。だから捕らわれない捕らえられない。逃げるなら追いたくなるそれが人間らしいだろ？」

ともき「あれ？崇さんは化け物側じゃなかったんですか？」

崇「らしいといったはずだ。」

ともき「あちゃ…敵わないなぁ。」

崇「くく、お前も道化と付き合いすぎだな。悪い癖がついてきてるぞ。控えないと厄介ごとに巻き込まれて、女に逃げられる癖がつくぞ。口は災いの元だ。いや、アイツとの出会いが禍かもな。」

ともき「それは、気をつけないと……けど、あれですよ？」

崇「なんだ。」

ともき「俺はアイツと出会えて…本当に良かったと思ってますよ。」

崇「ほぅ」

ともき「……ときどきウザイですけどね。」

崇「くく、正直だな。さて、本郷行くぞ。」

本郷「ふっ」

美喜「(え…)」

澪「(いつから居たんだ？)」

ともき「……うぇ…喉痛っ…。」

澪「よく三杯も飲んだな。ほら、水。」

ともき「ありがと…」