ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】7

ともき「……」

梓「ともき?何してんだ?」

ともき「シッ…」

「「「?」」」



ーラスタ・ラヴー

崇「お前はただ暇潰しをしてるだけだからな。」

悠「そうだ。厄介事に巻き込まれるのもお前のせいだし。俺は正義の味方でもなけりゃ弱いものを助ける善人でもない。だからいつも失敗してもいいように金はもらわない。」

崇「よく知ってるよ。依頼人を怪我させたり、ガキが拉致られたり、お前が怪我をすることも、はては死人が出たこともあったな。くく、助けられなかった…とでも言えばお前を責める言い方になるかな。」

悠「……」

崇「けど、俺はそれでいいと思ってる。右曲左曲しようともそれなりに良いフィナーレを迎えたものばかりだ。青臭いヒロイズムじゃなく、泥臭くお前なりの灰色な答えを出せてる。」

悠「なぁ、貶したいの?誉めたいの?どっち?」

崇「どっちでもない。聞かれたから答えてやっただけだ。」

悠「……結局、崇は俺をどうみてる?」

崇「お前は人間だ。化物の様な人間で俺は人間の様な化物なんだろうな。」

悠「……」

崇「だが、そうじゃないと困る。化物を倒すのはいつだって人間だ。人間じゃないとダメなんだ。逆に聞こうお前は俺をどうみてる?」

悠「……」

崇「こうやって一度しっかりと聞いてみたかった。ちょうど良い機会だ。お前のお得意の話術を見せてみろ。」

パサッ…

悠「勝手に前髪をあげんな……。化物って前提なら……お前は闘争を望む、血みどろの闘いをな…けどそれはもう嗚咽や渇望に近い。それはお前が戦闘戦斗を望んでるんじゃなく死を望む絶叫だ。」

崇「いいぞ続けろ。」

悠「お前は超えてきたんだろう幾千幾万の喧嘩相手の絶望を喰ってきたんだろ。闘争から闘争へ何から何まで消えてなくなりまっ平らになるまで歩き歩き歩き続ける王。俺にはお前が夜の世界を統べる化け物がひどく哀れで弱々しく泣き伏せる子供にみえるよ」

崇「そうか…くく。」

悠「なぁ崇よ。お前はなにを望んでる?」

崇「いっただろ。化物を倒すのはいつだって人間だ。化物は人間に倒される。人間だけが「倒す」事を目的とするからだ。戦いの喜びのためなんかじゃなく。己の成すべきdutyだ。だから、いつか、人間である、お前が、俺を、倒すんだ。俺が望むのはそれだけだ。」

悠「……重たい事をいいやがって、お前をどうこう出来るかよ」

崇「くく、なら此方側に来るか?化物側に。」

悠「話しになんないな。帰る。」

澪「あ、おい…悠!」

悠「……崇、「こっち(わたし)はあっち(あなた)と違う」この世の闘争の全てはそれが全てだ。人間がこの世に生まれてからな。もし、お前が、俺とお前が違うと思っているなら……そんな些細な事を無くすだけだ。」

崇「それが、俺たちの世界の常識でもか?」

悠「どんな常識も、どんなルールも、結局は誰かが考えてつくったもんだろ。間違いが絶対にないとはいえないだろ」
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