ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】7

ーラスタ・ラヴー

澪「昨日はさすがだったな。」

ともき「いや、そうでもないよ。結局、悠の思惑どおりに事が進んだんだし。」

美喜「謙遜しすぎじゃない?ちゃんと真の正解が解ったじゃないの。」

ともき「いや…あれは、本当の正解じゃあ…」

悠「ちぇき~、結局飲み食いされて10万円がパァになった、悠さんだよ~。」

美喜「噂をすればなんとやらね…」

悠「俺が素敵でカッコいいって?参ったなこりゃ。」

美喜「悠は生まれてから鏡を見たことがないのね」

悠「泣くぞコラ!わん、わん、にゃお~!」

澪「そっちの鳴くかい!」

悠「っで、なんの噂だ?どうせ悪口でもいってたんだろ。」

ともき「違うって昨日のゲームの話だよ」

悠「あぁ、なんだ。ともきの大勝利な話しか。」

ともき「よくいうよ。本当は初めから勝つ気なんか無かったくせに。」

澪「勝つ気がない?」

美喜「なにそれ、どういうこと?」

ともき「悠、素直にいったらどうだ」

悠「なんのこちゃわからん。ともきゅん暑さにやられたか?」

ともき「あっそ…なら、勝手に推理させてもらうよ。そもそも、あのゲームの勝敗は悠が自由に決められたんだ。」

澪「自由にって、手に握ってたのはコルクだろ?それをともきは当てた。」

ともき「澪くん、可逆不可逆に考えてくれ。仮にあの時、俺も解答がコインだったとして、手を開かずにいたらどうだ?」

澪「それは…あっ!」

美喜「手を開かずに銀貨だけを見せたら、解答は銀貨に、手を開いたらコルクに変わるわね…」

ともき「そう、どっちを選んでも先に銀貨に目がいく。悠だったらすぐに手の中のコルクをポケットにでも忍ばせれるはずだ。だからわざわざルールに解答は全体で一回っていったんだろ。」

澪「……って、ことはどんなに推理しても解答は悠次第だったんじゃないか!」

美喜「ズルッ…」

悠「いっひっひ。そうだよん。俺は初めから絶対に勝つ予定だったんだ。これなら例え美喜のラッキーで当てられてもすぐにすり替えれるからな。ま、だから初めから美喜の解答権は無しにしたんだけど」

ともき「そのカモフラージュが梓と澪の解答も無しにしたんだろ。っか、いい加減素直に言えよ。」

悠「だから、なにがだよ。俺はただの暇潰しにゲームをしただけだぞ。勝つ気で。」

ともき「それだったら、わざわざ俺に解答させる事は無かっただろ。あのゲームはそうやって皆で騒げて、その結果ついでにご褒美って称して飯を奢るつもりだったんだろ。」

悠「……」

澪「そうなのか?」

悠「まさか……全部ともきが俺を買い被り過ぎなだけ。」

ともき「天の邪鬼め。」

悠「いっひっひ。なんだよ、そんなに俺をイイ人にでっち上げたいのか?いいけど、できれば女の子中心に頼むぜ、ユウサンカッコイイーって言われるように」

ともき「はぁ…これだからな。そんなに気が利くなら、別に女だって選り取り見取だろ。」

悠「だから、暇潰しにノリでしたゲームってるだろ。本当にともきが言う通りだったら今ごろモテモテだっての……けど、まぁ仮にだ。」

ともき「?」

悠「ともきの推理どおり「だった」としても、それにお前が気づいてくれただけで十分じゃね?」

ともき「お前……髪あげてそれはズルいだろ…。」

悠「なに照れてんだよ。惚れなおしたか?」

ともき「ふん、ばーか。」
悠「いっひっひ。酷いなぁ。」
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