ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】7

ーラスタ・ラヴー

氷室「では、悠さんは本当に付き合っている女性は?」

悠「しつこいっすねぇ…居ないっての。デートに誘っても断られる一方通行だ」

崇「断られるような誘い方しかしてないからだろ」

悠「あー?」

氷室「ふふふ。さて、そろそろ私はおいとましましょうか。」

悠「あ、もう時間?」

氷室「えぇ、名残惜しいんですがね。」

崇「なら、いくか。表に本郷を待機させてある」

悠「いままでずっと!?」

崇「俺は薫を送るが…お前はどうする?」

悠「まだ、飲み終わってないし、ここで見送らせてもらうよ。」

氷室「構いませんよ。楽しかったです。」

悠「こちらこそ。」

氷室「では、皆さん失礼しますね。」

崇「……」

悠「やれやれ、肩が凝ったぜ。口直しにビールもらえるか?」

澪「飲みすぎじゃないか。」

悠「最後のシメだ。」

美喜「チャンポンしてよく気持ち悪くならないわね」

悠「いや、けっこう気持ち悪い。」

澪「飲むなよ?!」

悠「ビールでふさぎこむんだよ。大丈夫吐かないから。」

澪「頼むぞ。」

悠「はぁ~…やっぱり落ち着いて飲める方がいいな。あの二人と肩並べるとどーも疲れる。」

澪「楽しそうだったけどな。」

悠「まぁ、悪くはないんだけどな。どーも…すり減る気がするんだ神経とかが」

美喜「それ、明らかにストレスじゃない?」

悠「いや、威圧負けかな。こう…溢れ出すカリスマに身が焦がされる感じ。日光に焼ける吸血鬼さながら…」

澪「分かりにくい例えだな。」

悠「いっひっひ。はぁ…けど、疲労困憊だ。」

澪「なんだ、本当に疲れてるな。」

悠「はは、あの二人と話してるとマジで疲れるんよ。いつ殴られるかわからんからな。はあぁ…こーいう時は綺麗なねーちゃんとデートでもしたら元気出るんだけどなぁ」

美喜「こっち見ないで。」

悠「なーなー、みーきー、デートしない?」

美喜「しないわよ。てゆーか、猫撫で声を出すな!」

悠「いっひっひ。だーよなー。うっし、元気出た。」

澪「なんで!?」

悠「そりゃまあ、お約束のやりとりが出来たからな。あの二人だとどーも俺の定石ボケやネタができないからな…」

澪「……お前の中だと、誰かをデートに誘う、断られる…が、定石なのか?」

悠「モチのロン」

美喜「マゾかなんか?」

悠「ちゃうわい。それがお約束だろ!」

澪「それでいいのか…」

悠「笑いとセクハラをお届けするそれが俺のエンターティーメント。」

澪「うわっ…まさに道化だな。」

悠「いっひっひ。三枚目にゃ三枚目のポジションがあるんだよ。」

美喜「てゆーかさ…」

悠「あー?」

美喜「イエスって言われたらどうするのよ?」

悠「イエス?基督(キリスト)か?」

美喜「違う。だから…もしデートに誘って、行くっていわれたらよ。」

悠「そりゃ……え?」

澪「おま……まさか、考えて無かったのか?」

悠「うん。」

美喜「これっぽっちも?」

悠「うん。「誘う」→「断られる」→「ですよね~。」の答えしか持ってなかった。」

澪「おぃおぃ…」

悠「まぁ…そんな事はないって。ケラケラケラ」
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