ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅴ】10

ーラスタ・ラヴ(7/8/夜)-

悠「ちょっと今日のニュースっていうか事件はヤバいな」

真樹「手製の爆弾に手製の銃、海上自衛隊って何でも作れるんだね。」

鈴猫「怖いよね。」

悠「ちょっとそれは違うぞ」

真樹「なにが?」

悠「手製の銃。いわゆるジップガンまたはパイプ銃は作ろうと思えば子供でも作れる。」

鈴猫「それ、本当に?」

悠「ああ、大半のジップ・ガンの構造は金属製の短い筒に弾丸を込め、ファイアリング・ピンの役割をする釘なんかの細い物で弾丸の雷管を叩き、発砲する。他の銃器に見られる大半の部品を省いた単純な作りだから比較的簡単に作れるってわけだ。」

福太郎「単純な話、筒から弾丸を発射する物体やもんな。」

ともき「その雷管っていうのは作れるもんなのか?」

悠「雷管って用語を使うと複雑なものに思うが、要は起爆剤のことだからな。雷管が発火して本体の火薬に引火して弾を飛ばすのが銃のメカニズムだ。」

ともき「つまり、小さな爆発を起こせるものが雷管になるわけか」

悠「今回使われたのは電線が通ってたみたいだから豆電球を雷管に使ったんじゃないかと言われてるな。」

優日「豆電球でいけるんだ。」

悠「むしろ配電できるからスイッチ一つで着電(着火)できるわけだからな。よりお手軽になる。」

ともき「いや、ヤバいだろ。」

悠「今回のことでヤバいのは似たような奴が出てくる可能性があるってことだ。」

鈴猫「模倣犯ってこと?」

悠「模倣犯っていうかいらん知恵をつけるジョーカー予備軍だな。」

ともき「ジョーカーって……バットマンの?」

悠「ざっくばらんにいうと世の中の間違いを自分が正すとか思っちゃう系の奴だ。今回みたいな間違った成功体験が広まったわけだしな。」

ともき「間違った成功体験て……」

福太郎「実際、元とはいえ首相を殺せてしもとるわけやしね。しかも演説中いう警備とかがおる中で。」

悠「警備っても厳重なわけじゃないみたいだしな。何度もニュースでやってたが普通に犯人は背後に立ってたしな。」

鈴猫「やってたね。」

悠「あれぐらいの距離なら手製の銃でも当たるだろ。変な話、石でもぶん投げたら全然当たるぐらいの距離だし。」

福太郎「銃の扱い経験のある海自だった男やったら十分に必中距離いうことやね。」

優日「あ、いまネットニュース見たら弾も自作だったみたいなこと書いてあるよ」

鈴猫「弾も?!」

悠「弾こそ難しいことはないベアリングとか最悪は釘とかでもいい。自作ってことはおそらく釣りの重りとかを加工したんじゃないか?」

ともき「お前のその知識幅が怖いんだが」
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