ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅴ】7

ーラスタ・ラヴ(9/22/夜)-

悠「リッカのところで珍しいものを売ってたから買ってみたんだが…」

マリア「何ですかこのでこぼこした実は?」

真樹「悪魔の実かな?」

悠「渦巻いてはないだろ」

福太郎「これ、果物なん?」

悠「バンレイシだ。」

マリア「英国を拠点とする匿名のアーティスト」

ともき「そりゃバンクシーだろ」

悠「バンレイシ(番荔枝)は、バンレイシ科バンレイシ属の果物。表面は緑色で、果肉は白い。」

鈴猫「中身は白いんだ」

悠「バンレイシは、別名「釈迦頭(シャカトウ)」と呼ばれ、この見た目通り不思議な形のフルーツだ。」

ともき「釈迦頭…」

福太郎「確かにお釈迦さまの頭みたいにゴツゴツした形をしとるな。」

悠「果肉がクリーム状で糖度が非常に高いことから、英語では「シュガーアップル」や「カスタードアップル」とも呼ばれている。また、台湾ではシェッキャー(釈迦)とも呼ばれる。」

京「中身はクリーム状なのか」

マリア「アボガドみたいな感じですかね。」

鈴猫「甘いの?」

悠「白くクリーム状の果肉にはねっとりと濃厚な甘さがある。完熟したものはよりクリーミーな口当たりのため、砂糖のように甘いアボカドとたとえる人もいるそうだ。」

「「おー」」

悠「また、砂糖のつぶや梨のようなシャリシャリとした食感や、軽い酸味なども同時に楽しめる。南国のフルーツという印象で、日本の果物とは違った個性が魅力的だ。」

ともき「確かに日本のフルーツって感じではないな」

福太郎「一見やったらフルーツとも思えんしな」

マリア「というか、お店とかでも見かけませんよね。」

悠「暑い地域で栽培されるフルーツのため、日本ではほとんど生産されてないんだ。また、熟成が進み始めると一気に熟してしまうため、日本に輸入するのもなかなか難しい。」

鈴猫「なかなか熟さなそうなのに一気に熟しちゃうんだ。」

京「じゃあ、普通には買えないの?」

悠「通販とかでバンレイシを売っている場合もあるが、ほとんどが冷凍のものだな。現地で収穫され、ほどよい状態で冷凍したものを日本に輸入している。「フローズン釈迦頭(しゃかとう)」は、台湾産のバンレイシをまるごと冷凍させた商品で常温で少し解凍したあと、カットして食べるのがおすすめだ。」

ともき「凍らせて食べるのは夏によさそうだな」

福太郎「というか、それの生をよう売っとったね。」

悠「じつは日本でも、鹿児島県や沖縄県などでバンレイシが栽培されてる。それでもごく少量だから……リッカの店に置いてあったのはある意味激レアだったわ。」
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