ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅴ】7

ーラスタ・ラヴ(9/21/夜)-

悠「チュールチュの名月」

ともき「猫が喜びそうだな」

悠「中枢の名月」

ともき「どこの中枢だよ」

福太郎「中秋の名月やね。」

優日「ワレ、ダンゴ、クラウ」

鈴猫「こわっ!?」

悠「これが月の魔力だ」

ともき「いや、ただの食欲の爆発だろ」

悠「望月家のお月見」

京「なに?」

福太郎「岸部露伴は動かないのエピソード」

悠「まぁ、この話に露伴先生は出ないんだけどな。それはさておき……お月見泥棒を知ってるか?」

真樹「なにそれ」

福太郎「風習やね。」

鈴猫「お月見……とは違うんだよね?」

悠「お月見泥棒とは子どもがお供え物をこっそりと盗み取ることをいい、中秋の名月の晩に限って許される行為とされてる。」

ともき「ハロウィンみたいだな。」

優日「どういう経緯で出来たの?」

悠「発祥や歴史についての正式な史書などは見あたらないが、古くから十五夜のお供え物は、子どもたちがどの家のものでもこっそり盗んでよし、もらい歩くのもよしとされてきた。」

優日「私もぜひ食らいつくしたいね。」

鈴猫「尽くしちゃダメじゃないかな…」

悠「さらに、どこの畑に入って芋などを盗ってよし、よその家の柿などを盗るのも自由などという風習が全国各地にみられていた。」

福太郎「子どもは月からの使いとみなされ、盗まれた家でも「お供え物が全部なくなる方が縁起がよい」「盗られた家は豊作になる」と、むしろ喜んどったそうやで。」

真樹「へー」

京「楽しそうだ。」

悠「子供たちにとっても「盗った団子を食べると健康でいられる」「供えられた豆腐を食べるとお腹が痛くならない」とする地域もあったそうだ。」

鈴猫「どっちもいいこと尽くめだね。」

ともき「東京じゃあんまり聞かないけど、どのあたりの風習なんだ?」

悠「一応まだ全国各地で「お月見泥棒」の風習が残っているようだが……。特に福島県や茨城県、群馬県、愛知県、三重県、和歌山県、宮崎県とかがまだしっかりと残ってるぽいな。」

京「そういえば、お月見にお供え物をするのはどうしてなんだろう。」

福太郎「お月見にお供えするのは、月見団子に里芋、枝豆、栗、柿など秋の収穫物の初物で、名月を愛でるだけでなく農耕行事とも結びつき、収穫に感謝する意味をもっとるね。」

悠「月見団子は関東では丸形。関西は子孫繁栄を表す縁起物である里芋をかたどった細長い形で、もともと里芋が供えられてきたことに由来する。このことから、十五夜の月は「芋名月」とも呼ばれるぞ。」
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