ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】

ーラスタ・ラヴー

悠「…よっ。」

澪「お?いらっしゃい。」

悠「おぅ。……これやるよ。」

澪「は?カーネーションの花束?」

悠「適当に飾っといてくれ。昨日の礼だ。」

澪「また、微妙な嘘を…」

悠「あはは。まぁ、そう全力否定するな。美喜は?」
澪「ちょっと席を外してる。」

悠「そうか。…あ、火着けて貰えるか?」

澪「ボーイはホストじゃ無いんだけどな。ほら…」

悠「すっ……ふぅ~…。そう言いながらライダー持ってるんだな。」

澪「気が利くからな。悠こそ煙管気に入ってるみたいだな。」

悠「ふ~~…。まぁな。けど、癖にならないようにはしてるさ。」

澪「煙草みたいに持続性はないんだろ、それ?」

悠「無い。けど何でも続けてたら癖にはなる。イラついた時に爪噛んだり、ガムを噛んでなきゃムズムズするってやつもいるだろ。」

澪「ふぅん…けど、煙草嫌いなのに煙管は好きってのも変だな。」

悠「ふ~…タールやニコチンを欲してる訳じゃないからな。」

澪「どっちにしても変だ。」

悠「ふ~…。本当はな昔大好きだった奴が煙草好きだったから真似てるだけだ。」

澪「は?」

悠「嘘だけどな。」

澪「嘘かよ…」

悠「にひひ。取り合えず一杯頼めるかな。なんかキツいのを。」

澪「はいはい。ニコラシカでいいか?」

悠「お、良いな。」

澪「これはすぐに出来るしな。」

ニコラシカ
40度中口ビルド

ブランデー適量
砂糖適量
スライスレモン一枚

リキュールグラスにブランデーを注ぎ、砂糖を盛ったスライスレモンをグラスの上に乗せる。

悠「っ…はぁ…美味い。」

澪「独特の飲み方だからな。生まれはドイツ・ハンブルグだったよな。」

悠「そ、まず、砂糖を盛ったレモンを二つに折って、口に入れて軽く噛む。甘酸っぱい味が口内に広がったらブランデーを一気に流し込んで口の中でカクテルにして楽しむ。」

澪「それで…結局この花束は?」

悠「世間一般じゃ、母の日だろ。…送る相手も居ないのにガラにもなく買っちゃったんだよ。」

澪「あぁ…それで真っ赤なカーネーションか。」

悠「知ってるか?カーネーションって色によって花言葉ば違うんだぜ。」

澪「赤は?」

悠「母の愛情。ピンクがあなたを熱愛します。白は私の愛情は生きている。黄色が軽蔑。絞りは愛の拒絶だ。」

澪「花言葉なんかよく知ってるな。」

悠「似合わないだろ。」

澪「そうでもないさ。花弄りをしてる悠ならなんか想像がつく。」

悠「ふふ。なら、今年の夏は向日葵を引くぐらい家の庭一面に育てようかな。」

澪「幽香にでもなる気か?」

悠「いや、ただ俺が向日葵が好きなだけだ。」

澪「ちなみに向日葵の花言葉は?」

悠「いつわりの富、にせ金貨、崇拝、あなたは素晴らしい、あなたを見つめるだ。」

澪「そうか。」

悠「さて、行くわ。いくらだ?」

澪「今日は奢りだ。」
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