ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅴ】6

ーラスタ・ラヴ(4/5/夜)-

悠「さささささ」

ともき「は?」

悠「寒いっ!」

優日「確かに今日は冷えてるね。」

福太郎「雨降った後やしね。」

悠「やめてくれよ(震え声)」

京「身体を動かそう」

福太郎「うーん、実に健康的な手段。」

悠「確かに手っ取り早い手段ではある。だがまぁ……そういうのとは違うんだよ。」

京「そうかぁ…」

優日「あ、じゃあ全身ぶん殴られるっていうのはどうかな?」

悠「痛みと腫れで熱をもつことはあったまるとは言わないっ!!」

優日「もっと熱くなれよ!!」

悠「じゃあ、地獄の門の話をしようか」

真樹「意味が分からない」

悠「うるせぇ!」

真樹「えぇ…」

ともき「地獄の門ってなんだ、えらく物騒な名前だけど」

悠「地獄の門はトルクメニスタンのカムラム砂漠に存在する人間の過ちによって生まれた巨大なクレーターだ」

京「クレーターって、隕石が落下したときとかに出来るアレ?」

悠「そうだ。だけどクレーターは隕石の落下とかにかかわらず、くぼんだ地形なことだ。」

優日「けどなんでそのくぼみが地獄の門なんて呼ばれてるの?」

悠「簡単だ。この地獄の門は50年以上前から現在までの間、ずっと燃え続けているからだ。」

真樹「え、なんでクレーターが燃え続けてるの?」

悠「50年前に人間がクレーター内部の天然ガスに火をつけたんだ。」

ともき「一体なんでそんなことを…。というか、なんでそんなクレーターが?」

悠「始まりは1970年代まで遡る当時のトルクメニスタンはまだソビエト連邦の一部であり、同時にソビエト連合は、有望な油田を探し回ってる頃だった。そしてソビエト連合の技術者たちは、このトルクメニスタンのカムラム砂漠になら有望な油田があるのではないかと考え砂漠の採掘をすることになったんだ。技術者たちは巨大な機械や重機などで採掘作業を行ったんだが、これが大誤算の始まりだった。」

優日「どういうこと?」

悠「地盤などの状態を全く調べずに大規模な採掘を開始したせいで、重みに耐えられなくなった地盤が崩落した。」

福太郎「ヨシっ!」

優日「現場猫あらわる!」

悠「そして崩落したその地下には洞窟の様な空洞が存在していたようで、この陥落によって、直径約70メートル、深さ約30メートルもの巨大クレーターが発生してしまった。」

ともき「大事故じゃねぇか…。」

京「怪我人とかは出なかったの?」

悠「それが奇跡的に怪我人とかは1人もでなかったらしい。っが、本当の問題はここからだったが……続きは明日にしよう。」
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