ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅴ】6

ーラスタ・ラヴ(3/31/夜)-

悠「ボリボリッボリボリッ」

ともき「チキンラーメンをそのまま食うなよ。」

悠「小腹がすいちゃってさ」

ともき「小腹がすいたからってもっと他にあっただろ。」

悠「にへっ!」

優日「殴りたいあの笑顔」

悠「なんでや、素敵な笑顔じゃろがい!」

ともき「どこがだよ。」

悠「……おっ、そうだ。江戸の庶民はどうやって寝てたのか知ってるか?」

ともき「雑に話を変えるな」

吉音「布団じゃないの?」

悠「江戸時代、貧乏長屋の住人は、敷布団は使っていたものの、掛け布団は今みたいな形じゃなく、「夜着」と呼ばれた綿入れを使ってたんだ。」

京「「夜着」ってなに?」

福太郎「襟と袖がついとって、着物より一回り大きい褞袍(どてら)みたいなもんやで。」

真樹「じゃあ夏場は?」

悠「夜着を小ぶりにした掻巻を掛け、敷布団の上には「寝茣蓙(ねござ)」を敷いた。」

吉音「シーツはつかってなかったの?」

悠「シーツを使うようになったのは、明治以降のことだ。」

吉音「そうなんだ。」

悠「そうなんだよ。ぼりぼり。」

想「あの、それお腹壊しませんか?」

悠「お腹は怖さないけど喉は死ぬほど乾きますね。」

ともき「そのうちどっか身体壊すぞ」

悠「大丈夫だ。駒狸汁がある。」

優日「うーん、駒狸汁は強すぎるんだよなぁ。現代の万能薬。」

悠「ところで、武士が食べなかった3種類の魚を知ってるか?」

吉音「お魚食べなかったの?」

悠「武士は、魚のうち、フグ、コノシロ、マグロは食べなかった。」

吉音「全部美味しいよね。」

優日「美味しいね。毎日……いや、毎秒でも食べたいね。」

ともき「毎秒は流石におかしい」

悠「まず、フグは当然、内臓などに毒を持つ魚。武士が食べなかった理由も、中毒死を避けるためだ。」

京「テトロドドキシン」

ともき「おしい、テトロドキシンだ。」

悠「ただし、命を落とすこと自体を恐れたわけでなく、いざというときには主君の為に戦場で散らす命をフグに当たって落とすなど、不名誉なこととされてたから、食べなかったわけだ。」

真樹「フグはわかるけど、コノシロとマグロには毒はないよね?」

想「コノシロが嫌われたのは、演技担ぎからですよ。コノシロを食うことが「この城を食う」に通じるとして嫌われたんです。」

京「ならマグロは?」

福太郎「マグロの別名が「シビ」と呼ばれ、それが「死日」に繋がると苛まれたんよ。」
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