ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】6

ーラスタ・ラヴー

悠「ちぇき。崇いるか?」

美喜「ソファーに居るわよ。」

悠「そうか。」

澪「なんか急いでたようどすけど…?」

悠「崇、仕事を頼みたい。」

崇「ほぅ…お前から依頼とは珍しいな。話してみろ。」

悠「人を探してほしい。」

崇「誰を?」

悠「はなちゃんだ。」

崇「…夏目をか?」

悠「あぁ、ちと行方を眩ましてな」

崇「……ローラーをかけてやってもいいが。金は払えるのか?」

悠「…いくらだよ」

崇「いちダースにつき、二十万。サービスで二十四時間体制にしてやる」

悠「ふざけんな。サービスになってねぇだろ。」

崇「お前こそふざけるな。隊を動かすつもりなら見合った額を用意しろ。俺はアイツラに説明するのと働いた分の報酬を用意する義務がある。」

悠「……」

崇「まぁ、お前に貸しをつくるのは構わないが。どうする?」

悠「お前に貸しはつくりたくない。」

崇「そうか。」

悠「ちっ…」

崇「くくっ。いい面だな。その面に免じて俺個人での協力はしてやろう。」

悠「なら、見かけたら連絡くれ。」

崇「…携帯はもってるんだろうな?」

悠「こういうときは持ってるに決まってるだろ。」

崇「ふん。まぁいい、本郷。」

本郷「ふっ」

悠「もう行くのか?」

崇「回遊するだけだ、あてにはするな。」

悠「恩にきるよ。」

崇「お前も休憩したら、とっとと探しにいけ。どういう経緯かは興味ないがこういうのはお前の仕事なんだからな…」

悠「わかってるよ。」

美喜「アンタもなにかしらトラブルを抱えてるわね」

悠「別に事件じゃねぇよ。」

しんご「けど、人探しか?」

悠「まぁな。原因はなんとなく俺っぽいとこもあるし。」

澪「なんだそれ?」

悠「話せば長くなるからフィーリングで感じ取ってくれ。」

澪「できるか!」

悠「出来るさ。さぁ、目と目で見つめあって…俺の意識を読み取るんだ」

澪「近い近い近い!顔が近い!あと、髪が邪魔で目なんか見えねぇ!」

悠「ふむ。そんな障害があったか…」

しんご「いや、もっと根本的な部分が間違ってるんだよ。」

悠「根本的な?……ラートはまるで江戸時代の水責め水車拷問に見える的なあれか?」

しんご「なんの話だ?」

悠「関係ない話」

美喜「本当に関係ないわね…」

悠「ユーモアに飛んでるだろ?」

澪「ユーモアにじゃなく、悠の頭の中が飛んでる気がするぞ。」

美喜「あら、澪。上手いじゃない」

悠「そういうこというと、バーでやっちゃいけない注意を破るぞ」

澪「そんなのありました?」

美喜「さぁ…」

悠「え?注意するといったらお金を持ってくる、服をちゃんと着てくる、店内で硬式野球はしない…」

美喜「注意事項以前に人としての当たり前の行為ばっかりね…」

悠「常識にとらわれたらダメだって早苗さんもいってるだろ?」

美喜「黙りなさい。非常識。」
39/100ページ
スキ