ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅴ】5

ーラスタ・ラヴ(3/4/夜)-

悠「ふー……今日は寒かったな」

ともき「いや、そうでもなかったろ。」

悠「せやな」

ともき「なんだこいつ…」

悠「はははっ。そういうお年頃なんだ、許してやってくれや。」

ともき「どういう立ち位置で喋んだお前は……」

悠「今日は水星の話をしたいと思う」

福太郎「唐突」

優日「水星っていわれても何にもイメージわかない件について」

真樹「確かに」

京「名前は知ってる。」

福太郎「水金地火木土天海ぐらいで詳しいに習う星ちゃうしな」

悠「そんな可哀想な水星の話をしよう」

ともき「可哀想って…」

悠「1日が24時間で1年は365日というのは、地球では常識だ。しかし、ほかの惑星にいくとそうとはかぎらない。たとえば、太陽系惑星の中でいちばん太陽の近くにある水星。」

京「太陽に一番近いのか」

優日「これは何か習った気もする。多分、恐らく、きっと……」

ともき「どんどん自身無くしていくな」

悠「その距離は5790万キロメートルと、地球と太陽の距離の5分の2しかないことから、地球時間の約88日で太陽を1周してしまう。」

福太郎「88」

優日「横にすると∞&∞!」

ともき「何言ってんだ」

優日「正直今のは失敗したと思ってる。」

悠「一方、こうした公転周期の短さに対し、水星の自転は非常にゆっくりとしている。自転の周期は約59日と、1回公転するあいだに1回半しか自転しない。」

京「?」
真樹「?」

悠「つまり、水星の1日は地球時間の176日なのに、1年は約88日という、不思議な逆転現象が起きていることになるわけだ。」

京「??」
真樹「??」

福太郎「飛び交うハテナ」

悠「えー……また、自転がゆっくりしていることから、88日間にわたって昼が続いたあと、88日間も夜が続く。加えて、熱をさえぎる役目を果たす大気が、水星にはほとんど存在しないため、太陽に照らされる昼はどんどん気温が上昇し、逆に太陽のあたらない夜は急激に気温が下がる。その結果、昼間の気温は320~430℃に達するが、夜の気温はマイナス160~170℃と、太陽系の中でもっとも昼と夜の気温差が激しい惑星となっている。」

優日「住みにくそうだね。」

ともき「そういうレベルじゃないんだよなぁ。」

悠「ちなみに、こうした昼夜の激しい寒暖差があることから、探査機による水星探査は困難をきわめてる。これまで水星に近づいた探査機は、アメリカの「マリナー10号」と「メッセンジャー」の2機しかいない。ただ、その2機の観測により、水星の表面には非常に多くのクレーターがあることがわかっており、クレーターそれぞれに、画家のムンクやダリ、小説家のエドガー・アラン・ポー、日本人では松尾芭蕉や井原西鶴といった、文学者や芸術家の名前がつけられている。」
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