ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】6

ーラスタ・ラヴー

悠「なぁ、総合的に考えればやっぱり吉野屋の貢献と存在感は認めざるを得ないだろ?」

笠松「だからよぉ。他の店に文句はねぇよ!俺はすき家の味付けが好みなんだって!」

悠「じゃあ味噌汁についてはどう思うんだ?すき家は70円もするが吉野屋は50円、松屋ならタダでついてくるぞ?」

笠松「その分うまいんだよ!」

「「「……」」」

翼「ちわっ。」

しんご「あ、翼バットタイミングだな。」

翼「なんかあったのか?」

ともき「悠が知らない人と牛丼屋についてモメてるんだ」

翼「なにやっ……って!?オッサン?!」

笠松「お、翼よう。ちょっと待ってろ」

悠「翼、ちぇき。今取り込み中だ」

翼「いやいやいやいやいや、なにやってんの?!」

笠松「牛丼の話したら、このガキがなんですき家なんだ?吉野屋と松屋はダメなのかって絡んできたんだよ」

悠「イージーに決め打ちするのは早いっていいたいんだよ!」

翼「……いや、じゃなくてさ…」

悠「笠松のおっちゃん、たしかに俺はさっきまで吉野屋の代表のように振る舞ったけどな……本当はもうずっと松屋のほうにいれあげてんだ」

笠松「なんだ、そうだったのかよ」

悠「けど軽い話じゃない…おっちゃんだって判ってるだろ最近急成長してちらちら視界に入りやがる…」

笠松「すき家か…」

悠「ああ、さっき話にでたように吉野屋、松屋、すき家。ここ数年三大メジャーの牛丼の「うまさ」のレベルは方向性の違いこそあれほぼ横並び状態だ」

笠松「なるほど…けど、なんですき家じゃなく松屋に浮気し始めたんだ?」

悠「あれは数年前になる…腹が減ってきて、目の前の松屋にはいったんだ。ところがもちろんそれまでに何度も松屋でメシは食ってきたんだけどその店はなにかが違った…なんだろう。店員たちの顔なのか店の構えなのか、それとも客なのか……とにかくちょっと違和感があった」

笠松「なんなんだよ」

悠「しばらくしてわかった……ジュウウっと鉄板で肉を焼いて食ってる客がいたんだよ!」

笠松「松屋で鉄板焼き?!」

悠「妙な夢でもみてるのかと思って、外に出てすべてを理解したね。株式会社松屋フーズの看板。」

笠松「松屋の本社か…」

悠「店員の話ではアナウンスなしに試作メニューを出して客のリアクションを見てるんだそうだ。確か名前は鉄皿カルビ焼肉定食。松屋のカウンターで肉を焼くというその行為だけでも充分シビれたね。」

笠松「なるほどな…そいつぁ、仕方ねぇな。」

悠「だろ?笠松さんも松屋にいってみな、チキン南蛮定食や唐揚げ丼、ステーキ定食…心動かされるぜ?」






しんご「あの人翼の知り合いか?」

翼「笠松宗治。いちおう警官だ……なんで、悠と牛丼サミットしてんだよ…」
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