ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅴ】4

ーラスタ・ラヴ(10/15/夜)-

悠「巷で流行の錬金術やってみたいな」

福太郎「現代ではリアルに錬金術が使える世の中になってしまいました。」

マリア「金金金金金金…」

ともき「おい、一人壊れてんぞ」

悠「金金金、騎士として恥ずかしくないのか!」

マリア「恥より金です!!」

福太郎「騎士以外キャンセル」

悠「その心意気や良し!!」

ともき「よくないだろ」

吉音「ごーとぅーの何かで……何かになるんでしょ?」

ともき「あいまい過ぎる…。」

悠「可愛いから許す!」

マリア「罰は悠さんが受けるということでok」

悠「美しさは罪……微笑みさえ罪……黒いバラの花棘があるようにやさしくつつみこんでくるぅぅぅーーーー!」

ともき「やかましい!」

真樹「そういえば結局どういう仕掛けで儲けになる感じだったの?」

悠「ニュース見てないのか」

真樹「見てたけどよく分かんないから聞いてるんじゃん。察しが悪いなぁ。」

悠「腕へし折ってやろうか、てめぇ…。」

真樹「ひぇ…」

吉音「それでどういう感じだったの?」

悠「簡単に言うとだな、GoToイートキャンペーンのひとつのポイントの還元事業を利用することで錬金術が可能だったわけだ。この事業に認定されたオンライン予約サイトを介して食事をした顧客は、ランチで500円、ディナーで1000円分のポイントが還元される仕組みだった。」

吉音「500円と1000円割引ってこと?」

ともき「いや、ポイント還元だからランチなら500円分のポイント、ディナーで1000円分のポイントがもらえるだな。」

悠「飲食代の最低金額は特に規定されていないため、SNS等ではとりわけ「鳥貴族」がターゲットとなったわけだ。」

真樹「なんで?」

悠「鳥貴族ではディナータイムでも「お通し」が存在せず、298円均一(税込327円)というお手頃メニューを展開している。1品のみ注文して帰ればポイント還元分の「儲け」が673円発生するため、顧客としてはお金をもらって料理を食べられるという現象が発生するんだ。」

吉音「もっと食べたい……」

マリア「食べさせてあげてくださいよ!!」

悠「いつもいっぱい食べさせてあげてるでしょっ!」

福太郎「こっちはこっちで大変やなぁ。」

真樹「お店側にはお金はいらないの?」

悠「それならまだ救いこそあった、GoToイートでは予約サイト経由での食事が必須であることから、飲食店側が1回の予約あたり数百円程度の送客報酬を支払うことになる。そうすると、送客報酬の負担が高まり、本来救済の手を差し伸べるべき飲食店側のみがその恩恵にあずかれないという不都合な状態に陥るわけだ。」

吉音「というかさ、そんな1つだけ頼むつっていうのは許されてるの?」

悠「GoToイートキャンペーンには、「安いメニューを1つだけ頼んで会計する」といった利用方法を対象外とするような縛りはなかったんだ。世間体や倫理面はさておき、法的には何のおとがめがない状態となってるわけだ。」

真樹「でもさでもさ、それで儲けが出るのって700~円でしょ?」

マリア「やる人はやりますよ。だって10回繰り返したら7000円ですからね。恥や外聞もかなぐり捨てて走り回りますよ。」

ともき「もはや恐怖なんだが」

悠「これが真のゼニゲバやぞ」
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