ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅴ】3

ーラスタ・ラヴ(7/14/夜)-

悠「見てくれこの指」

ともき「……なんだ、絆創膏はってるけど包丁でやっちゃったのか?」

悠「いや、白巳に噛まれた」

ともき「そ、そうか…」

悠「いや、思った以上にガッツリいかれてな。一瞬、指先の肉が持っていかれるかともったが……ギリギリセーフだった。」

福太郎「なんで口元に指持ってたん?」

悠「ヨダレがすごかったから拭いてやろうとしたらカプッとな。」

鈴猫「か、カプッと済んでるのかな?」

悠「はははっ」

真樹「痛くないの?」

悠「痛いに決まってんだろ。未だに血が止まってないんだぞ。」

福太郎「肉を持っていかれるかもしれへんいうぐらいに噛まれとるわけやしな」

マリア「いいじゃないですか、白巳ちゃんの為に指の一本や二本ぐらい」

悠「食いちぎられるのは仕方ないとしても、カニバリズムはNG」

悠「食いちぎられるのはいいのか……」

悠「そういえば今日はゼラチンの日なんだよ。」

ともき「だからなんだ」

悠「なんかございます?鳳さん」

鳳「そうねぇ……「寒天」の本来の意味は、文字通り「寒い日の空、冬の空」のことよ。」

ともき「え、あの……ゼラチン……」

鳳「江戸時代に京都の旅館の主人が、屋外に放置した心太(ところてん)の変化を見て、心太を凍結後に脱水乾燥させた製品を考案したの。これが菓子の材料などになる寒天で、「心太の干物」として売り出したところ、評判になったわ。」

真樹「へー」

優日「ほうほう……あれ、寒天って名前は?」

鳳「「寒天」と呼ばれるようになったのは、隠元(いんげん)という僧が「寒ざらしのところてん」という意味を込めて「寒天」を用いたためといわれているわ。」

悠「そうなんだ、僧だけに」

福太郎「……謝ってもらってええかな?」

悠「すまんな!」

ともき「軽っ…。というか、ゼラチンの話だったんでは?」

悠「牡丹鍋ってあるじゃん。」

ともき「は?」

悠「イノシシの肉を使った鍋料理を牡丹鍋といいうわけだが……。イノシシと牡丹は何か関係があるかわかるか?」

優日「肉の色が牡丹色」

真樹「あ、そうなんだ。」

優日「ごめん、適当いった。」

ともき「おい」

悠「……古くから獅子と牡丹は組み合わせがよいとされ、絵画に描かれるなどしている。この獅子を猪(しし)に置き換え、さらに猪を牡丹というようになったといわれている。ちなみに……」

鳳「優日ちゃんが言ったようにイノシシの肉の色が牡丹の花の色に似ていることに由来するという説もあるわよ。」

優日「あれ、私正解?やったぜ!」
64/100ページ
スキ