ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】6

ー小鳥遊邸(道場側庭)ー

梓「ちっす」

悠「……」

梓「おー今日は麦ワラ帽子までしてやる気MAXだな。」

悠「いやいや、なにしにきてんの?学校は?」

梓「今日昼間でだ。」

悠「そんな情報は初耳だし、まだ昼になってないよな?」

梓「悠だってサボってる。」

悠「ちがうよん。また「生」で無「理」に「痛」いやつだからってちゃんと黒井先生に連絡いれたし。」

梓「なぁ、担任にセクハラするのは…止めないか?」

悠「えへへ///」

梓「えへへ///」

悠「照れ返されたよ」

梓「ボケが悠の専売特許とは限らないぞ?」

悠「バんなそカな」

梓「っで、今日は花壇いじってないんだな。」

悠「おぅ。苔石に水やりだ。」

梓「こけいし?」

悠「ほら、ここに並べてある石は表面に苔がついてるだろ?」

梓「あぁ。けどなんの意味がある?」

悠「庭石や池の縁石、壁面に苔が付着すると景観に落ち着きがでてくるだろ。盆景でも岩を置くだけじゃなくて、その岩に苔があれば景色が引き立つ。」

梓「けど、こんなん苔が生えるまで時間かからね?」

悠「まぁねん。自然に付着するのを待ってたら時間は掛かるわ。綺麗な苔が定着するかわからんからこうやって育ててるんだよ。」

梓「ふぅん、それより小鳥遊悠くん。そこに置いてある素敵な物は?」

悠「オヤツの白玉団子だな。」

梓「団子ですね。お団子ですね。しかも、きっと悠くんが作った感じの…」

悠「…食っていいよ。」

梓「いただきます!」

悠「のど詰めるなよ…。」

梓「悠、お茶も欲しい。」

悠「コイツは…まぁいいや俺も飲みたいし。淹れてくるよ。」

梓「うい。」

亮「よーす。悠……って…梓がなんでいる?」

梓「ムグムグ…ムグムグ…」

亮「あ、白玉うまそ。もらーい」

梓「あぁ!?」

亮「!?」


悠「うーす、麦茶……えと、なにこの状況?」

亮「痛たたたっ!」

梓「りょーう。お前はお前はぁ!」

悠「なぁ、なんで梓は亮にアイアンクローかけてるんだ?」

亮「冷静に聞いてないで止めろ!」

梓「亮は俺の最後の団子を食った!」

悠「団子って…さっきの白玉か?」

梓「そうだ!…って痛たたた!?」

悠「あ~れ~は~俺の白玉団子だ!」

梓「痛い痛い!悪かった!全部食ったのは悪かった!!から後頭部にアイアンクローはやめてくれ!」

悠「ったく…てか、亮までなんでいる」

亮「痛てて…悠が休んでるって、ともきに聞いて、スパーして貰おうと思って来たんだよ」

悠「学校サボってやりにくる事じゃないよな…」

亮「だって最近相手してくれないし…。」

悠「闘路いけばいいだろ」

梓「悠、亮の気持ちも察してやれよ。悠に相手してほしいんだよ。」

悠「そうなのか?」

亮「まぁそうだな。」

悠「梓は?」

梓「白玉団子のおかわりが欲しい。」

亮「あ、俺白玉ぜんざいで食いたい」

悠「お前らなぁ……はぁ、ちょっと待ってろ。作ってきてやる。その代わり苔石に水やり頼む。はい、霧吹き」

亮「苔石?」

梓「そこに並べてある石だ。」

亮「ふぅん。なあ、そこにホースがあるよな」

梓「ですなぁ」

悠「あぁ。そうそう、苔石の定着のコツはな苔が動かないということがポイントなんだ。例えば撒いた苔が降雨や散水での水圧で動いたり、流されたりしたら生育できないんだ……もし、苔が剥がれてたりしたら……お前らのを剥ぐから…な?」

亮「う、うっす(何を剥ぐ気だ?)」

梓「て、丁寧に扱います(なに剥がす気だよ…)」
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