ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】5

ー小鳥遊邸(台所)ー

ともき「うす。おじゃま」

悠「おーう。らっしゃちぇき」

ともき「らっしゃちぇき…て。」

悠「まぁ細かいこたぁ、気にすんなよ。」

ともき「はぁ…瓶は?」

悠「熱湯で洗って乾いたふきんの上にふせて自然乾燥させてるよん。」

ともき「じゃ、こっちも始めるか。」

悠「おう頑張れ」

ともき「お前もやるんだよ」

悠「ってもなぁ…」

ともき「まぁ、イチゴのヘタ取ってボウルに入れて砂糖入れるだけだもんな。」

悠「すぐ食べるなら砂糖は少な目に180グラム、きちっと保存したいなら300グラム必要。果物の重量の半分が目安」

ともき「って、ことで…まんべんなく砂糖をまぶしたイチゴをボウルの中でそのまま三時間置くと……」




~三時間後~

悠「やっぱり、夏は素麺だよな。冷麺もありだけど」

ともき「ジャム作るだけだったのに昼飯たべちゃったよ……。」

悠「っか、俺が朝にここまでの行程済ませてもよかったな。」

ともき「まぁ……いいって。」

悠「ともきゅんやらし~」

ともき「や「ら」じゃねぇだろ。や「さ」だろ。」

悠「さて、浸透圧でまぶした砂糖にひかれてじわっとイチゴから水気が出たので、ここでボウルの中身をホウロウの鍋にいれて…」

ともき「おい、無視か。」

悠「ほい。木ベラパス」

ともき「たく…水はいれないで、そのまま鍋を中火にかけてまぜなが煮ていくと…イチゴからどんどんアクが出てくるので」

悠「丁寧にすくっていくっと。」

ともき「煮ていくとイチゴから色が抜けて白っぽくなっていくけども構わず煮続ける。」

真桜「イチゴのいい香りがしてるなーなの。」

悠「おう。ジャムつくり中だ。」

ともき「悠、すくったアクなんか取って置いてなにするきだ?」

悠「このアクでロシアンティーにすると美味いんだ。あとで飲もう。」

ともき「いいな。」

悠「さて、この瞬間が綺麗なんだよな。煮詰めていくと一度抜けたイチゴのエキスがもう一度イチゴに戻ってきて粒が透明な深いルビー色になってくる。」

ともき「よし、イチゴの粒が全部ルビー色になってトロリと煮詰まったら火を止めてそのまま熱いうちにビンに詰めて蓋をして……。」

「「完成!」」

真桜「おー、ご苦労、ご苦労なの。」

悠「ともき何瓶持って帰る?うちはジャム消費量低いからひと瓶でいいぞ。ほい、ロシアンティー」

ともき「なんで六瓶も作った…ズズ…うまっ。これなに茶葉、真っ赤だけど?」

悠「ダージリンだと渋いかと思ってローズマリーにしてみた。名残イチゴだから?」

ともき「意味わからん。まぁ…遠慮なく二つ貰ってくよ」

悠「まだ、余るな。あ、そうだ奴にやるか……」

ともき「優日とか鈴猫さんか?」

悠「なんでその二択?もっと渡す奴がいるだろ。」

ともき「……あっ」

「「禅(くん)」」

悠「禅なら飲むだろうし。」

ともき「ジャムを飲むって……いや、禅くんなら普通に想像できるな…」

悠「だろ?」
92/100ページ
スキ