ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】

ーラスタラヴー

澪「いらっしゃい。」

美喜「いらっしゃい。お二人さん。」

紅「ウッス。」

ともき「ども」

澪「ともき、なんか疲れてるな」

ともき「あぁ…ちょっとラジオでな。」

美喜「あ~、なかなか良かったよ。若いっていいわね」

ともき「そんなに歳かわらんでしょ…」

紅「はは、疲れててもちゃんと突っ込むんだな。」

ともき「……」

澪「職業病だな。」

ともき「職業は学生だ。」

澪「ほら。」

ともき「……」

紅「っと、そう言えば今日のラジオそろそろ始まるんじゃないか?」

澪「そうだな。つけとくか。」

ともき「はぁ…」

紅「あはは。ともきも悠の相手は大変だな。」

ともき「慣れてるけど…たまに嫌になるよ。」

紅「ま、どーしても嫌になったら俺が変わるぜ。」

ともき「紅君がか?」

紅「おぅ。どっちかってとツッコミだし。おれ、悠好きだし。」

ともき「…(いや天然ボケじゃないかな)悠が好きなのは関係あるのか?」

紅「好きな奴とは一緒にいたら楽しいだろ。」

ともき「それだと、俺が頼んだら悠の事か嫌いになったみたいに聞こえるな。」

紅「いやいや、そんなつもりはないよ。」

美喜「はい、アフィニティよ。どうぞ。」

アフィニティ
20度中口シェーク
スコッチウイスキー20ml
ドライ・ベルモット20ml
スィート・ベルモット20ml
アンゴスチュラ・ビターズ2dashes

材料をシェークして、カクテルグラスに注ぐ

ともき「これは?」

美喜「アフィニティは「婚約関係」や「親しい間柄」を表すことば。イギリス産のスコッチ、フランス産のドライ・ベルモット、イタリア産のスィートベルモットを使って、3国の友好を表したカクテルよ」

ともき「へぇ、乾杯」

紅「カンパイ。」

ともき「紅君は嫌いな奴とか居ないタイプだよな。」

紅「そうでもないぞ。昔は炎銃のこと嫌いだったし。悠だって出会い方しだいじゃきっと嫌いになってたさ。」

ともき「そうかな。」

紅「人間だしな。誰だって嫌いなことの一つや二つあるさ」

ともき「じゃあ、悠にもか?」

紅「あるぜ。」

ともき「即答だな」

紅「まぁ…嫌いっていうか…何て言うか。」

ともき「?」

紅「悠ってさ、よく笑うだろ。」

ともき「そうだな。」

紅「何割かであいつ無理して笑ってんだよなぁ。」

ともき「無理して笑う?」

紅「笑顔なのに全然気持ちが込もってねぇていうか、居ない誰かを見てるって言うのかな。」

ともき「……」

紅「聞いても話すわけないし、悠が自分から話す事なんてないだろうしな。」

ともき「…隠し事は辛いよな。」

紅「まぁ、本人がなにも言わないからこっちが首突っ込めないし。けど、その苦しい笑顔見るたびに…ぶん殴りたくなるのも事実だ。」

ともき「アイツも色々あるんだろうな。」

紅「話してくれたらいいのにな。何でもかんでも溜め込んで…」

ともき「…けど、俺わかるかも悠の気持ち」

紅「ん?」

ともき「可哀想とか同情の目で見られたくないんだと思う…」

紅「同情ねぇ……俺には解んないけどさ、弱いなら弱いでいいんじゃないか、誰にも相談しないで溜め込んでるといつか破裂しちゃうぜ。それこそ誰彼無しにな。」

ともき「……今のは誰に言ったんだ?」

紅「さぁね。」
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