ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】5

ー鳥市(焼き鳥屋)ー

悠「おっちゃん、正肉とねぎまと砂肝とつくねと皮の塩三本づつ焼いて、あとビール大ジョッキ」

オヤジ「あいよ。先にビールおいとくぜ。」


悠「ふはぁ~……。もうビールだよなぁ…。」

拳二「おんやぁ、見知った顔がいると思えば悠じゃねぇか」

悠「おっちゃん。焼き鳥まだ?」

拳二「おい!露骨に無視してんじゃねぇよ。」

悠「俺はな…今、ひとりでのんびりと晩酌を楽しんでいるんだ。ここまでいったら、お前が次にとる行動はわかるよな?」

拳二「おう。オヤジ、ビールピッチャーで二つと盛り合わせ焼いてくんな。」

悠「誰が同席に誘った!!」

拳二「いいじゃねぇか。こんな場末の焼鳥屋でひとり呑むなんざぁすたれちまうぜ。」

オヤジ「場末の焼鳥屋で悪かったな。」

拳二「かっかっか、つい本音がでちまったぜ。」

オヤジ「けんじ~、テメンとこから米かわねぇぞ」

拳二「かっかっか、んなこたぁ親父とはなしてくれ。」

悠「っか、なに人のねぎまくってんだよ。」

拳二「そこに肉があるからだろ。おら、まぁ乾杯しようぜ。」

悠「……乾杯」

拳二「おう、乾杯」

「「んっくんくっ……ぷはぁ~!!」」

オヤジ「おめぇらよう。ピッチャーグラスってのは乾杯して個人で呑むグラスじゃねぇかんな…」

悠「げふっ…ノリでやったけど、コイツはきついぜ」

拳二「けっふぁぁ…次からは一気は止めよう。さすがに吐いちまうな」

オヤジ「バカだろお前ら。」

悠「バカでもコイツと同類にされるのは心外だ。」

拳二「ぁん?」

悠「いや、だって、拳二はバカ・オブ・ザ・バカ・オブ・ザ・バカだろ。俺もまだ、生きて十八年だけどお前ほど馬鹿な生き物を見たことがない。」

拳二「一回事務所くるか?」

悠「遠慮する、小鳥遊さんはヤクザとは関わらない主義なんだ。」

拳二「職業差別すんじゃねぇよ」

悠「するわ。ヤクザ、人殺し、小鳥遊柏は俺にとって害敵と思ってるからな。」

拳二「あきらめな、テメェはこっちの人間に好かれるタイプだ。ふぅ~~…」

悠「呑んでる時くらいタバコやめろよ」

拳二「呑みながらも吸うし、寝起き寝る前も吸う。俺の一日はタバコに始まり、タバコで終わる。タバコがなけりゃ生きていけねぇんだよ。」

悠「タールマンが…」

拳二「誰がバタリアンだ。っか、吸うか?」

悠「すわねぇよ!」

拳二「かっかっか」

悠「くそっ、おっちゃんビールおかわり。中じょ…」

拳二「大ジョッキ二つな。あとレバー焼いてくれ」

悠「……」

拳二「しっかしよぅ。」

悠「あんだよ。」

拳二「お前もなんでこんな場所で呑んでんの?ガキはガキなりに行く場所あんだろ」

悠「ひとりで呑みたい時もあるんだよ。」

拳二「かっ、そーかい。」
38/100ページ
スキ