ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】4

ーラスタ・ラヴー

悠「だるい…」

美喜「来て早々の一声がそれってどうよ。」

悠「すまん、なんか疲れてて」

翼「……」

悠「どった?」

翼「あ、いやなんでもない。」

悠「ふぅん?っか、翼足は?」

翼「え、あぁちょっとまだ違和感ある。」

ともき「捻挫か?」

翼「さぁ、よくわかんない。」

悠「俺の疲れも原因不明…なんか肩凝って毎夜、毎夜血まみれの老婆がまくら元に立つんだよな」

ともき「それは疲れてるんじゃなく憑かれてんだよ!神社行ってこい」

悠「半分は冗談だ」

翼「どこまで…どこまで本気だよ」

悠「ふっ…」

翼「おい…」

悠「冗談だ冗談。」

ともき「いや、冗談で済ませれないことないか?」

悠「考えるな頭痛くならぁ。っと、まぁ俺の方はともかく翼の足だな。」

翼「別にヤバイって事はないって」

悠「なんならいい医者紹介するぞ。柳だけど」

翼「なんだろ。この安心と不安がどっと押し寄せる気持ちは」

悠「まぁ、100%治るけど、1000%採血と出会い頭に点滴打たれる。」

翼「ちょいまち。外科だぞ?なぜ、採血や点滴が行われる」

悠「柳の趣味だろ。アレはある意味現代に生きる吸血鬼、いや、採血鬼だからな。妖怪ジジイのひとりだよ」

柳「ほっほほ。ひどいいわれようですのう。」

「「「!?」」」

悠「誰だ!古川柳大医師に妖怪なんていったやつは!でてこい!俺がぶっ飛ばしてやる!」

翼「変わり身早!」

ともき「っか、お前だお前…」

柳「まったく、さんざん無茶をのんで差し上げているのに…どうも人の有り難みをわかっておらぬようですのう」

悠「なにをおっしゃるウサギさん。感謝感激の雨あられでございますよ。」

柳「いちど口内を見てしんぜようか?もしかしたら舌が三枚四枚あるかも知れませんの。」

悠「それこそ妖怪だろ。いいからそっちの足をみてやってくれ。」

翼「え…」

柳「ふむ。腱鞘炎ですな。温湿布ではなく冷湿布に変えるのがよろしいでしょうな。」

翼「え?まだ足も見てないのに?」

柳「君は無痛症の気があるのでは?」

翼「は、はい…」

柳「ほっほほ。この柳、姿勢を見れば多少の症状はわかりますぞ。痛みが無い分足に違和感を感じるのでしょうの。どれ、インプロパノール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油…このハードゲルの物をさしあげましょう」

翼「あ、お代は…」

柳「かまわんです。診察もしとりませんからの。ほっほほ。」

翼「…ありがとうございます」

柳「ほっほほ。どこかの方もこのくらい素直であってほしいですのう。」

悠「俺を見るな。」

柳「まぁもし腫れやアザが浮くようなら改めて診察しましょう。なにかあればこちらまで」

翼「はい。」

柳「では失礼しますぞ。ほっほほ。」
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