ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】4

ー小鳥遊コンチェル(社長室)ー

~朝~

悠「あー…地獄だ…」

近藤「ぼっちゃん。おはようございます。朝食をお持ちしましたよ。ご気分はいかがです?」

悠「最悪だよ。スーツも着たくないし…書類も見たくない…会食もいやだ」


近藤「たった二日の仕事でなにをいっているんです。」

悠「二日も!だよ!今日で絶対止めるからな!」

近藤「はい、はい。ぼっちゃん食事をしながらでいいのでこちらの企画書に目を通してください。」

悠「話きけよ……えと……あーダメだな。」

近藤「企画自体はまとまっていると思いましたが?」

悠「もっと売った後を考えさせろ。こんなんじゃ売れても部署が膨らむばっかりで次の年には泣きを見るぞ。この企画書作ったやつにまとめるばかりじゃなくて売り手の事も考えろっていえ、親父だったら罵詈雑言ものだぞ。」

近藤「わかりました。では次は此方を…」

悠「朝飯食わせろ!」


~昼~

他社長「わが社のダイヤモンドも売り上げが伸び悩み実質的にマイナス成長に転じようとしています。」

悠「売れるのを待つ時代は終わりましたからね。小売業界に積極的に参入する時期ではありませんか?」

他社長「やはりそうなりますか…。原石を研磨して付加価値を高めた商品を流通させる努力はしてきたのですが」

悠「若輩者の意見ですが…これからはさらに一歩踏み込んで完成した宝飾品の製造販売に手掛けてはいかがでしょうか。」

他社長「致し方ありませんね。いや、小鳥遊さん今日はありがとうございました。兜馬さんとの会食以来の有意義な時間となりましたよ」

悠「いやいやそんなことは…。」





~夕方~

悠「あーつーかーれーたー」

近藤「ぼっちゃん、ネクタイをちゃんと絞めてください。」

悠「もーいいーじゃんー会食ないんだしー」

近藤「それが急きょ、ぼっちゃんとお話をしたいと会食のお電話がありまして」

悠「はぁ?!」

近藤「クロケティア様、一ノ瀬様、緋乃村様……他財閥関係の方からです」

悠「やだ!絶対やだ!特に一ノ瀬ってヤクザだろ!」

近藤「そのようですね。ですがぼっちゃんとは何度か面識があると…」

悠「あるけど、無い!っか、俺はあっちの世界の人間が嫌いなんだ!もう会食は無し!」

近藤「仕方ありませんね…」

悠「…もうマジで勘弁してくれよ。」

近藤「本気を出せばもっと大きな実績を出せるでしょう。もうこのまま副社長の席に着いても…」

悠「責任とかめんどい!遊ぶ時間がなくなる!それなりにくらせりゃ出世とかいらねぇーの。」

近藤「はあぁ…私の育て方は間違っていたのでしょうか。すみません、教育係として力およばずで…紅葉様、弥一様、兜馬様……」

悠「俺の家族に謝んじゃねぇ!!地味に心が痛いだろ!とにかく俺はもう帰るからな!!」

近藤「はぁ、仕方ありませんね車を出しましょう。御自宅までで?」

悠「いや、久々に呑むから池袋だ。」

近藤「わかりました。あ、そうだ。その前に聞いておきたかったのですが。」

悠「なんだ?」

近藤「秋宵月殿になぜ追い出されたのです?」

悠「バスクリン風呂に一本入れた。」

近藤「アナタは幾つになっても訳のわからないことを……そんなことをしてなんの意味あるんです。もったいない。そもそもですね。クドクドクドクドクドクドクドクドクドクド…」

悠「うにゃー!!やぶ蛇だー!」
72/100ページ
スキ