ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】4

ーラスタ・ラヴー

悠「それは……鯖…ですか?……うーん…鯖スティッ……ハッ!ここは何処だ!」

美喜「ラスタ・ラヴよ。」

悠「……はて?俺はなんでここに?」

美喜「……勝手に落ち込んで勝手に寝たんでしょうが…」

悠「あー…そうだっけ。あちゃぁー…恥ずかしぃ…情けねぇー…」

美喜「まったくね。」

悠「うにゅー……っか、今何時?」

美喜「もうすぐ三時になるわね。夜中の」

悠「ここでダベってたのが五時過ぎだろつまり…十時間くらい寝てたのか。」

美喜「死んでんじゃないかと思ったわ。」

悠「はは…悪い。っか、なんで起こさなかった。いつもなら店閉める前にはたたき起こす癖に」

美喜「あのねぇ…私だって鬼じゃないのよ。落ち込んでるやつをほっとかないわよ」

悠「あれれ?もしかして美喜さん心配してくれた感じだったり?」

美喜「まぁね。正直アンタが本気で落ち込んでると気持ち悪いのよ」

悠「気持ち悪いて…励ましてるの?貶してんの?」

美喜「半々ね。」

悠「そこは励ましてるっていってほしかったな。」

美喜「優しいばかりじゃないのよ人生は」

悠「たしかにその通りだな。俺もまだまだ甘えがあるとわかったよ。ま、もう大丈夫だ。」

美喜「……まだガキなんだから甘えたっていいじゃない。」

悠「そうもいかんでしょ。甘えられる相手も居ないし。俺が誰かに甘えたら数少ないファンが泣いちゃうだろ。いっひっひ」

美喜「あっそ…。ま、どうしても甘えたいなら……私が抱きしめてあげるわよ。」

悠「What?」

美喜「変な意味じゃないわよ。ただ抱きしめるだけ。それぐらいなら私だってできるからね。」

悠「……」

美喜「あによ。これでもアンタよりは歳上なのよ?」

悠「知ってるよ……。アレだな美喜もたまにはデレてくれるんだな。クーデレだ。」

美喜「意味わかんない」

悠「クールでデレデレ」

美喜「デレは無いわよ。」

悠「めんどくさがり屋だけど優しいお姉さんだ。」

美喜「ふん、やっと調子が戻って来たわね。」

悠「俺を誰だと思ってやがる底辺の遊び人だぜぃ」

美喜「天下じゃないのね」

悠「そこまで自由じゃないさね。しかし…美喜に抱きしめてもらうのは惜しかったな。もうこんなチャンス二度と無いかもだし」

美喜「…なによ。して欲しいならしたげるわよ。今だけなら」

悠「うんにゃ…やめとくわ。」

美喜「あら、格好つけてる?」

悠「つける格好なんかハナッから持ってませんよ。っか、アレだよ今甘えたらそれこそ……なっ?」

美喜「なっ?て言われてもねぇ。ただひとつわかったわ。」

悠「ぁん?」

美喜「アンタ、そうやっていい出会いを逃がしてるってね。」

悠「……ぷっ…あっはははは!そうだ、そうだ!そのとおりだ。こりゃ一本とられたぜ、はははは!ヤベ、腹いてぇ!」

美喜「はぁ、元気出たんなら店閉めたいんだけど?」

悠「おう、悪い悪い。じゃまたな……あぁ、そうだ。」

美喜「なに?」

悠「明日からは、またいつもの好きな俺に戻る。今日の事は忘れてくれよ?」

美喜「ふん、別に好きじゃないわよ」
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