ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】4

ーラスタ・ラヴー

澪「悠、なにか作ろうか」

悠「あー……じゃあ…珈琲」

澪「わかっ…いや、珈琲って」

悠「……」

美喜「コイツ、本に集中してて話し半分にしか聞いてないわね」

澪「静かなのはいいけど調子狂うな……えーと、珈琲粉は…」

美喜「いいわよ。水でも出しとけば、どうせ気付かないわよ。」

澪「それは気付くとおもいますけど……おっと、いらっしゃい」

翼「どもっ」

ともき「ちわっ」

梓「ういっす」

ともき「アイツいますか?」

美喜「いらっしゃい。悠なら来てるけど……反応は薄いわよ。」

翼「はい?」

悠「……」

ぺら…

澪「珈琲置いとくぞ。」

悠「あー……」

翼「悠、みんなで飯食いに行くつもりなんだけど一緒に行かないか」

悠「あー……」

ぺら…

翼「どっちだよ。」

ともき「これはダメだな。完全に本の虫になってる。」

梓「どゆこと?」

ともき「コイツ本読みだすと完全に周りのことシャットダウンするんだよ。こうなったら返事はまともにしないし、動こうとしない。ボケもツッコミにも反応しないぞ」

翼「悠が…ボケない…だと?」

悠「……」

ぺら…

翼「うわ、無視られたよ」

ともき「自分の好きな読み物には本の虫だからな……いつから、こうしてます?」

美喜「そこの紙袋いっぱいに本買ってきて、座ってからかれこれ三時間くらいかしら。」

澪「んで、四冊目に突入中だ」

梓「はぁ…よくそんだけ集中できるな」

ともき「なに読んでるんだ?」

悠「……京極夏彦シリーズ」

ぺら…

翼「うわっ…一冊500ページくらいあるし、中身は古典風…俺ダメだこれ系の小説は」

梓「俺も無理」

ともき「悠、あとどのくらいかかる?」

悠「あー……もうちょい。」

ぺら…

ともき「まだまだ掛かりそうだな…。梓、翼俺はいいから二人で飯食いにいっていいぞ。」

梓「ともきは?」

ともき「コイツ放っておくと朝まで読み続けるからな……。様子見てる。」

美喜「いいわよ。帰りそうになかったら追い出すし。」

ともき「いやほら、ちゃんと帰らせないと駅で一夜過ごしそうですから、連れて帰りますよ。」

美喜「アンタ…いい奴ね。コイツなんか放っといても全然平気よ絶対。」

ともき「まあ、そうでしょうけどね…。これでもコイツのダチですから。それに本読んでる時の悠の顔って嫌いじゃないんですよ。」

澪「……そういえば無意識に前髪開いてるな。」

悠「……」

ぺら…

翼「じゃ、俺も待とうかな」

梓「そだな。」

ともき「いつになるかわかんないぞ?」

翼「のんびり悠の横顔でも堪能するさ」
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